「だるまさんがころんだ」“だるま”発祥の地『奈良県王寺町』!

奈良県王寺町は、「だるま」の発祥地!そして、聖徳太子にまつわる歴史と豊かな自然が息づく地です。王寺町は、古代から現代に至るまで、さまざまな文化や伝統が交差する場所です。

王寺町には魅力的な観光スポットが数多くありますが、その一つに地元の人々に長年愛されてきた「だるま寺」があります。

この記事では、王寺町の深い歴史と文化、そして「だるまさんがころんだ」の遊びがどのようにこの地と結びついているのかを探りながら、奈良県王寺町の魅力を余すことなくご紹介します。

だるまの謎や歴史、雪丸と聖徳太子の絆、そして観光スポットの魅力。王寺町の旅へ、あなたも出発してみませんか?

「奈良県王寺町」だるま発祥の地『達磨寺』と聖徳太子ゆかりの町

手前にだるまが置いてあり、奥に神社がある。神社へ向かう人々で賑わっている。

奈良県王寺町は、豊かな自然と古都の風情が調和する、魅力溢れる町です。
その中でも特に注目すべきは、「だるま」の発祥地として知られる「達磨寺」と、王寺町の愛らしいマスコットキャラクターとして親しまれる「雪丸」です。

達磨寺は、全国で愛される縁起物「だるま」の起源として、多くの人々に親しまれています。
一方、雪丸は聖徳太子の愛犬として知られ、その知性と愛らしい姿で町のシンボルとなっています。

さらに、王寺町には歴史的な背景を持つ「合格だるま展示ストリート」や、風光明媚な観光スポットが点在し、訪れる人々を魅了しています。

達磨寺:だるまの源流と聖徳太子ゆかりの寺

正面から見た達磨寺の様子。

「片岡山達磨寺」、通称「達磨寺」は臨済宗南禅寺派のお寺であり、だるま発祥の地として有名です!

「日本書紀」によると推古天皇21年(613年)12月、聖徳太子が道のほとりに伏せっていた飢人を見つけたことがきっかけとなり達磨寺は生まれました。

だるまと聖徳太子

聖徳太子の肖像画。
「唐本御影」聖徳太子が描かれた肖像画/不明な作者, パブリックドメイン, via Wikimedia Commons

聖徳太子は飢人に飲み物と食べ物、それに衣服を与えて助けましたが、飢人は亡くなりました。

そのことを悲しんだ聖徳太子は飢人の墓を作り、手厚く葬りましたが、数日後に墓を確認してみると、埋葬したはずの飢人の遺体が消えてなくなっていました。

この飢人が後に達磨大師の化身と考えられるようになり、達磨寺は生まれました。

聖徳太子と達磨大師の出会いから始まった達磨寺は両者との関わりが深く、本堂の下には達磨寺3号墳と呼ばれる古墳時代後期の円墳があり、聖徳太子が飢人のために作ったお墓(達磨大師のお墓)とされています。

鎌倉時代にはそのお墓の上にお堂が建てられて、本尊として聖徳太子像と達磨大師像が安置されました。

また、 本尊の木造聖徳太子坐像、木造達磨坐像は重要文化財で、土・日曜・祝祭日にはボランティアガイドが常駐していて案内してくれます。

本堂の南西の位置に行くと、王寺町のマスコットキャラクターである「雪丸」のモデルとなった雪丸像に会うこともできますよ!

達磨寺へはJR王寺駅から雪丸ロード(雪丸の足跡)をたどって徒歩約15分。

ちなみに2021年11月に開催された「第一回全国だるまさんがころんだ選手権大会」は達磨寺の境内で開催されました。

奈良県王寺町に伝わる「だるま」の起源と「だるまさんがころんだ」

王寺町のご当地キャラクターの「雪丸」と駅員の女性2人がこちらを向いている。

「だるま」とは?

達磨大師坐像。

だるまは何度倒れても起き上がる「七転び八起き」の縁起物として広く知られ、願い事をするときに左目、願いが叶ったときに右目を入れることで有名です。

また、 魔除け、目標達成、金運上昇、商売繁盛、健康祈願など多くの願いを込めた縁起物として扱われる事が多いです。

だるまの起源をたどると、中国禅宗の開祖であり、インド出身の仏教祖「達磨大師」がモデルだとされています。

達磨の起源がインドだと知って驚いた方も多いのではないでしょうか。

達磨は南インドの国王の三男として生まれ、中国に渡った後に武術で有名な嵩山少林寺にて壁に向かって座禅を組む壁観(へきかん)という修行を9年間続けました。

その過酷さから手足が腐り落ちてしまい、これが達磨に手足がない理由だと言われています。

修行とは言え、手足が腐り落ちるとはその過酷さにゾっとしますね。

達磨が私たちの生活に親しみ深い「だるま」として今の形に定着したのは江戸時代に入ってからだと言われています。

本体の底におもりを入れ、何度倒しても起き上がる縁起の良い「起き上がり小法師」をまねて同じ形に作るようになったのです。

今では達磨と聞くと、縁起物の可愛らしい見た目の「だるま」を想像してしまいますが、達磨の壮絶なストーリーを知るとまた新たな魅力に出会えるかもしれません。

だるまさんがころんだ

だるまさんがころんだをして遊んでいる子どもたちの楽しそうな様子。

この伝統的な遊び「だるまさんがころんだ」は、奈良県王寺町の文化と歴史を象徴する一部として、地域の人々に愛されています。

おそらく多くの人が子供の頃に一度は「だるまさんがころんだ」で遊んだ経験があるのではないでしょうか?

最近では、Netflixから配信され世界的人気を集めた韓国ドラマ「イカゲーム」で韓国版のだるまさんがころんだが登場しました。

このことから日本でもだるまさんがころんだに再度注目が集まっています!

だるまさんがころんだの歴史は実は浅く、明治時代の文献にも登場しません。現在もまだ詳しい文献などは見つかっていませんが、大正時代以降に全国的に普及したと言われています。

また、関西では「ぼうさんが屁をこいた」と言うこともあるらしく、言葉自体に深い意味があるというよりは語呂の良さが重要視されていたようです。

「だるまさんがころんだ」に類似した遊びは、実は海外にも存在しています。

韓国では「무궁화 꽃이 피었습니다(ムグンファコチピオッスムニダ)」日本語に訳すと「ムクゲの花が咲きました」

スペインでは「1,2,3 Pollito inglés!(ウン、ドス、トレス、ポジート イングレス)」日本語に訳すと「いち、にい、さん、イギリスのひよこ!」

他にも国や、地域によっていろいろなバージョンの「だるまさんがころんだ」があるので気になる方は調べてみるとおもしろい発見があるかもしれません。

「だるまさんがころんだ」遊び方

だるまさんがころんだをしている子どもたちイラスト

知っている方も多いとは思いますが、改めてだるまさんがころんだの遊び方について説明します。地域や時代によって様々なローカルルールも存在します。

鬼ごっこの一種である「だるまさんがころんだ」の特徴は鬼から逃げるのではなく近づくこと、そしてなんといっても「動かないこと」です。この特殊なルールが他の鬼ごっこにはない絶妙な緩急とスリルを与えてくれます。

「だるまさんがころんだ」遊び方

❶オニを1人決め、基点となる場所(壁や木)に立ち、子は20mほど離れたスタートラインに一列に並ぶ。
❷オニの「始めの一歩♪」の合図で、子は大股で一歩進む。
❸オニは基点を向き、「だるまさんが転んだ」と言ってから子のほうを見る。子はオニが振り向くまでの間にオニに近づき、振り向くと同時に静止する。これを繰り返す。
❹静止できていなかった子は、オニに名前を呼ばれて、オニと手をつなぐ。
❺子が上手くオニに近づき、オニと捕まった子のつないだ手を「切った!」と言ってさわると、すべての子はスタートラインのほうへ走って逃げる。オニは「ストップ」と言って子を止める。
❻ あらかじめ決められた歩数(5歩から10歩)をオニは移動し、子にタッチできたら交代する。

出典:日本スポーツ協会

全国だるまさんがころんだ選手権大会

聖徳太子1400年御遠忌である2021年、太子の「和の精神」と達磨の「七転八起」に基づき、コロナ禍に苦しむ人々が助け合い、再び立ち上がるために、日本で初めて達磨さんが“転んだ”場所と言えるここ達磨寺において、「全国だるまさんがころんだ選手権大会」が開催されました。

以後、毎年11月には熱戦が繰り広げられています。

競技は、5人1チームとし、2チームがコートに入って対戦。鬼が「だるまさんがころんだ」と唱えている間に、ゴールを目指します。

チームを構成する選手に性別・年齢、走りの速さや力じまん等の条件はありません。やる気と集中力で勝負です!!

JR駅職員さんも、ラグビー選手も、子供も大人も、なんと天平びとたちも、まばたきを忘れて全集中!

来年はぜひ、家族や職場仲間、友達を誘って「全国だるまさんがころんだ選手権大会」にエントリーしてみませんか♪

聖徳太子の教え「和をもって尊しとなす」から生まれた『合格だるま展示ストリート』!

駅員さんが数名並んでいて、真ん中に雪丸がいる。合格だるま展示ストリートをしている様子。

奈良県王寺町では受験生や頑張るみなさまを応援するために「合格だるま展示ストリート」という新たな取り組みも行われました。

「JR王寺駅」中央改札口前、「近鉄王寺駅」「近鉄新王寺駅」各改札前、奈良交通王寺案内所窓口、東横イン奈良王寺駅南口入口、王寺町観光協会雪丸ミニプラザなど6か所に達磨寺でご祈祷済み合格だるまを受験シーズン限定で展示しています。

「必勝」のはちまきをしめた堂々たる姿が印象的です!

だるまの展示はすべて歩いて回れる範囲内にあることから「合格だるま展示ストリート」と名付けられました。

3駅は近接しており、同観光協会によると、1日あたりの平均乗降客は計約3万7千人にのぼるそうです。

また、この付近は学校法人西大和学園の高校や短大などが近く、多くの学生が行きかうエリアでもあり、人生におけるビックイベントの一つでもある受験に立ち向かう多くの学生を応援しました。

合格祈願の縁起物「だるま」

だるまがいくつも並んで右を向いている様子。

そもそもなぜだるまが合格祈願の縁起物として扱われるようになったのでしょうか?

その理由はだるまの大きな特徴でもある何度転んでも起き上がる姿にあります。

このだるまの姿が定着したのは、先に述べたように江戸時代ごろ、「起き上がり小法師」をまねて作られるようになってからだといわれています。

「七転び八起き」ということわざにもあるように、だるまは何度転んでも起き上がり続ける姿が縁起が良いとされ、願いを叶える縁起物として人々に愛されてきました。

受験生においても受験勉強をしていく中で、辛くて挫けそうになることもたくさんあるかと思います。

転んでも負けずに起き上がるだるまの姿が心を支えてくれると、合格祈願の縁起物代表格として広く愛されるようになりました。

達磨寺は合格だるまストリートから歩ける距離にあるので、達磨寺で自分だけのだるまを購入してみるのもいいかもしれません。

王寺町のマスコット!大人気のゆるキャラ「雪丸」と聖徳太子

雪丸が達磨寺の前に手を挙げて立っている様子。

雪丸はかの有名な聖徳太子の愛犬で人の言葉を理解し、お経を読み、「達磨大師の墓の北東に葬ってほしい」と遺言を残したと言われる賢い犬だったそうです。王寺町の公式マスコットキャラクター「雪丸」のモデルとなっており、街中を散策すればオブジェやイラスト、肉球をあちこちで見つけることができます。

また、王寺町で開催される様々なイベントに雪丸も参加しており、その可愛らしい見た目から地域の方々にとても愛されています。

また、「Love Love ゆきまる!(詞・曲 王寺町選定)」という雪丸のテーマソングもYouTubeからチェックできるので、興味のある方はぜひ聞いてみて下さい!

石造の雪丸像にエプロンのようなものがかけられている。

「地方連携推進室/Local partnership MO」Xアカウント「ゆるキャラ」クイズでも雪丸が取り上げられました。

魅力満載!奈良県王寺町

奈良県王寺町は、聖徳太子ゆかりの達磨寺や、日本初の鉄道開通を誇る歴史的な町です。
そして、だるまの発祥地である達磨寺を中心に、全国だるまさんがころんだ選手権大会や合格だるま展示ストリートなど、多彩なイベントが開催されています。

古き良き歴史を大切にしながらも、新たな挑戦の場として「王寺らーめんトライアル」を実施するなど、現代の魅力も兼ね備えた町です。

豊かな自然と歴史ロマンに彩られた奈良県王寺町で素晴らしいひとときを過ごしましょう!
王寺町のおすすめ観光情報はこちらからご覧ください。

奈良県王寺町観光協会はこちら

執筆:TAKUMA 編集:TARO

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