うどんだけじゃない!香川県中讃地域を巡る究極ガイド:芸術と自然が織りなす絶景と文化の旅

「うどん王国」として名高い香川県。しかしこの地が持つ魅力は「うどん」だけにとどまりません。特に今回特集する香川県の中讃地域と呼ばれるエリアは、その豊かな自然景観と深い文化的背景が織りなす、訪れる者の心を豊かにする多様な体験が盛りだくさん!
この究極ガイドでは、坂出市の歴史的名所から宇多津町の絶景、まんのう町の自然美、綾川町の神聖な伝統、丸亀市の伝統工芸品、多度津町の歴史的風情、琴平町の神秘的な空間、そして善通寺市の歴史的な札所まで、中讃地域に満ちる文化と自然の魅力を探求していきます。
芸術と自然、歴史と現代が見事に融合したこの地域は、訪れる人々に新たな発見と忘れられない体験をもたらしてくれるでしょう。

中讃(ちゅうさん)とは?
香川県は「さぬきうどんの郷」として知られています。そんな香川で、「うどん」発祥の地とされているのが、中讃エリアです。

中讃エリアには坂出市・多度津町・まんのう町・綾川町・丸亀市・多度津町・琴平町・善通寺市が含まれています。

芸術と自然の調和が楽しめる『坂出市』!香川県の文化的宝庫を巡る

坂出市は、岡山と香川を結ぶ瀬戸大橋のふもとに位置し、自然と歴史が交錯する魅力的な土地です。瀬戸内海の穏やかな波と温暖な気候に抱かれたこの地は、瀬戸大橋を始めとする人間の技術と自然の調和が見事に融合した場所です。

芸術愛好家も、自然愛好家も、そして歴史を学びたいと思う人々も、坂出市にはそれぞれの求める魅力が満ち溢れています。

瀬戸大橋記念公園で壮大な橋と自然の共演を体感し、白峯寺で心の平穏を見つけ、香川県立東山魁夷せとうち美術館で芸術と自然の融合に触れ、城山不動の滝で歴史と自然の力強さを感じることができます。

上空から眺めた瀬戸大橋。写真中央には櫃石島(ひついしじま)、奥には岡山県の児島半島が映っています。

また、坂出市はかつて「塩のまち」として栄え、現在は「港湾工業都市」としての側面も持ち合わせています。そのため、新旧が融合した雰囲気が魅力の一つです。

自然と歴史が織りなす魅力に溢れ、瀬戸内海の風光明媚な景観や個性的な島々とともに、訪れる人々を魅了する旅の目的地として注目されています。

夕焼けに染まる瀬戸内海と瀬戸大橋。夕日が海面でリフレクションしていて、一帯が黄金色に輝いています。

瀬戸大橋記念公園:瀬戸大橋と自然の調和を体感する場所

瀬戸大橋記念公園は、瀬戸内海を一望できる美しい景色と瀬戸大橋の壮大な歴史を体感できるスポットです。

公園入口から瀬戸大橋記念館に至るプロムナードは「水の回廊」と呼ばれ、瀬戸大橋の吊り橋や斜張橋を模した噴水や滝があります。

瀬戸大橋を模した噴水とプロムナート。噴水からは瀬戸大橋の形をした水が噴き出し、南国風のヤシの木がまっすぐに伸びたプロムナードに沿って植えられています。

また、自然と調和した美しい日本庭園「浜栗林」も人気のエリアの一つです。

国の特別名勝である栗林公園(高松市)をイメージして造られた「浜栗林」は、広さ約2,800㎡の「甲之池」を中心に、ひときわ目を引く大きな石の彫刻「鬼屏風」、幅50m落差3mの滝の裏側を歩く体験ができる「くぐり滝」など見どころも満載です。

さらに、瀬戸大橋記念公園を訪れるなら絶対に行くことをお勧めしたいスポットが瀬戸大橋タワーです。回転展望タワーとしては世界一の高さを誇る展望室からの眺望はまさに圧巻。

UFOを思わせる円盤型の展望室が地上108mまでゆっくりと回転しながら昇っていくので、瀬戸大橋を中心とした360度の絶景パノラマビューを余すことなく満喫することができます。

瀬戸大橋記念公園
公式WEB:瀬戸大橋記念公園
住所  :香川県坂出市番の州緑町6-13
電話番号: 0877-45-2344
営業時間:24時間営業(※ 記念公園周辺道路は夜間は通行止めとなります)
定休日 :年中無休
アクセス:JR坂出駅/JR宇多津駅から車で約15分・坂出北ICから車で約5分

瀬戸大橋記念館:瀬戸大橋の建設秘話を動く模型で解き明かす

瀬戸大橋記念館は、瀬戸大橋の完成を記念して建設された施設で、瀬戸大橋架橋記念博覧会終了後の1988年11月に開館しました。

瀬戸大橋記念館の全景。前面から見た構図で、手前に記念館の名前が入ったモニュメント、奥に建物の全景が映っています。

建物は地上4階建てで建築面積は2,778㎡におよび、海底から海上までの壮大な空間で展開された架橋工事の全貌や最先端の架橋技術を、動く模型や映像などを通じてわかりやすく紹介しています。

瀬戸大橋記念公園から眺めたライトアップされた瀬戸大橋。手前から奥に向かって金色にライトアップされた瀬戸大橋が海面に映り込み、美しいリフレクションを作り出しています。

また、屋上展望台からはライトアップされた瀬戸大橋や瀬戸大橋記念公園を一望できる夜景の名所としても知られています。

ブリッジシアター:瀬戸大橋と香川県の魅力を臨場感たっぷりに体験

ブリッジシアターは、約200人を収容する大型全天周映像シアターで、訪問者はまるで空を飛んでいるかのような体験ができるとます。

このシアターでは、マルチオーディオシステムを使用した迫力のある音響効果と共に、瀬戸大橋の雄大な美しさや人々の交流を描いた映像を中心に、香川県の観光PR映像や宇宙に関する映像などが上映されています。

臨場感溢れる映像を通じて、瀬戸大橋や香川県の魅力を多角的に紹介しており、英語、中国語、韓国語の音声ガイドも利用可能です。

上映される映像には、香川県の四季折々の美しさや、瀬戸内海の多島美、地元の農水産物、伝統文化などを紹介するものや、香川県内の名所を紹介する映像、瀬戸大橋の開通10年を記念した実写映像などが含まれています。

また、宇宙に関する教育的な内容や、宇宙物理学者によるインフレーション理論を解説する映像など、教養と娯楽を兼ね備えた内容が豊富に揃っています。

瀬戸大橋記念館
公式WEB:瀬戸大橋記念館
住所  :香川県坂出市番の州緑町6-13
電話番号: 0877-45-2344
営業時間:09:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 :月曜日(祝日の場合は翌日)
アクセス:JR坂出駅/JR宇多津駅から車で約15分・坂出北ICから車で約5分

白峯寺:四季折々の美しさが訪れる四国八十八箇所札所

白峯寺は、弘法大師(空海)が創建したとされる古刹で、香川県を代表する景勝地の一つ「五色台」の白峯山中腹に位置し、四国八十八箇所巡りの第八十一番札所として知られています。

寺には多くの貴重な建築物や文化財が保管されており、木造の吉祥天立像や絵画の金剛界、境内には苔むした石造りの白峯寺十三重塔など国指定の重要文化財が数多く存在します。

白峯寺の社殿。青々とした新緑が青空に映え、木製の社殿とのコントラストが美しく映っています。

白峯寺の特徴の一つは、その豊かな自然環境にあります。寺院は山間の静かな場所に位置し、四季折々の自然の変化を楽しむことができます。

特に、春には桜が、秋には紅葉が美しく、多くの人々がこれらの季節に参拝に訪れます。

青々とした木々の間から望む白峯寺の社殿。

四国八十八箇所巡りの中でも特に美しい紅葉の名所として知られ、寺院の周囲を囲む自然が鮮やかに染まる様子は圧巻です。

綺麗に色づいた紅葉の木々の奥に小さな社殿があります。

公式WEB:白峯寺
住所  :香川県坂出市青海町2635
電話番号: 0877-47-0305
拝観時間:参拝時間:開門7:00~閉門17:00まで ※正月を除く
定休日 :無休
アクセス:JR坂出駅・坂出北IC・高松檀紙ICより車で約20分

香川県立東山魁夷せとうち美術館:香川の絶景と芸術の融合

香川県立東山魁夷せとうち美術館は、瀬戸内海に面した抜群のロケーションに位置する美術館で、日本画の巨匠である東山魁夷の版画作品を中心に約350点の作品が収蔵されています。

この美術館は、東山魁夷の祖父が坂出市の櫃石島(ひついしじま)出身だったこともあり、その縁から東山家より寄贈された版画作品を中心に展示しています。

香川県立東山魁夷せとうち美術館入口からまでの通路。手前に美術館の名前が記された石看板、奥には美術館の建物が映っています。

また、建物の設計は著名な建築家谷口吉生によるもので、こちらも見どころの一つです。

外壁は東山魁夷の絵画を連想させる緑色で統一されており、入口からの通路は東山魁夷の代表的な作品「道」を模したデザインが施されています。

東山魁夷が《緑響く》のモチーフにした長野・御射鹿池(みしゃかいけ)。静謐とした雰囲気の池の背景には木々が生い茂っており、うっすらと水面にリフレクションを作り出しています。

美術館から眺める瀬戸大橋の色は、東山魁夷が「景観を壊さない色」として提案したライトグレーで、瀬戸の海と美しい景観を演出しており、館内のラウンジからはその絶景を一望することができます。

また、展示室では、東山魁夷の作品を中心に年間4回のテーマ作品展と、2回の特別展が開催されており、多彩な美術作品を通じて訪れる人々に感動を与え続けています。

東山魁夷の作品とともに、谷口吉生による洗練された建築を楽しむことができるのも、香川県立東山魁夷せとうち美術館を訪れるべき大きな理由の一つです。

公式WEB:東山魁夷せとうち美術館
住所  :香川県坂出市沙弥島字南通224-13
電話番号: 0877-44-1333
営業時間:09:00~17:00 入館は16:30まで
定休日 :月曜日(祝日の場合は翌日休館、年末年始(12月27日~1月1日) 展示会準備期間)
アクセス:JR坂出駅からバスで15分・坂出北インターから車で10分

城山不動の滝:坂出市の歴史と自然が融合するパワースポット

城山不動の滝は、15メートルの壮大な落差を持つ滝で、不動明王を祀ることで知られ地元では特別なパワースポットとして親しまれています。

城山の中腹8合目付近に位置し、その名前の由来は弘法大師が修行中に岩壁に不動明王の像を彫った伝説にちなんでいます。
滝の傍らには不動明王が祀られ、長い歴史を通じて修験道の修行者たちが滝行を行ってきた聖地としての風格を今に伝えています。

サヌカイトも採れる城山ならではのゴツゴツした岩肌からは、太古からの強大なエネルギーが訪れる人々に伝わり、その幻想的な風景は訪れる人々の心を奪います。

不動の滝が流れる城山のゴツゴツとした岩肌にしめ縄がかけられています

また、冬季には、地元の郷土史家が案内する「まち歩きツアー」が開催され、厳冬の城山を散策しながら、美しく氷結した滝を観賞することができます。

完全に氷結した城山不動の滝が映っています

城山不動の滝は、四季を通じて変わる自然の美しさとともに、歴史や文化に深く触れることができる坂出市を代表する観光地の一つで、自然愛好家はもちろん、歴史や文化に興味のある方にも魅力的なスポットです。

公式WEB:城山不動の滝
住所  :香川県坂出市西庄町
アクセス:JR坂出駅から車で10分・下車後から徒歩で30分

『宇多津町』は魅力あふれる港町!歴史と自然が美しく調和するまち

穏やかな瀬戸内海に面した宇多津町は、その歴史と自然が織りなす調和の美しさで訪れる人々を魅了し続けています。港町としての賑わいと、厳かな歴史が息づく霊場、そして自然の美しさを堪能できるスポットが共存するこの町は、見どころ満載です。

郷照寺の厳かな雰囲気から、瀬戸大橋を一望できるゴールドタワーの壮大な景色、そして四国最大の金魚テーマパーク「ソラキン」の幻想的な水中世界まで、宇多津町では歴史と自然、現代の技術が融合したユニークな体験が待っています。

宇多津町の隠れた魅力を一緒に探り、その美しいロマンチックスポットや、生き生きとした水族館の水景を体験しましょう。

宇多津町の街並みと左にはゴールドタワー、奥には瀬戸内海とそこに浮かぶ島々が映っています。

郷照寺:厄除けの名刹として知られる四国八十八カ所の霊場

郷照寺は瀬戸内海を望む青ノ山の麓の高台にあり、奈良時代に高僧・行基が開創したと伝わる寺院で、四国八十八カ所霊場巡りの第78番札所として知られています。

弘法大師が42歳のころこの地を訪れ、自作の尊像を刻み厄除けの誓願を行ったことから「厄除けうたづ大師」として信仰を集めるようになりました。

ちなみに…

四国八十八カ所霊場とは、弘法大師(空海)が修行を行った地として伝えられる寺々のことで、その霊場をたどる巡礼のことを「お遍路」といい、その道のりは約1400kmにも及びます。

霊場巡りは巡礼者が各寺院を「順打ち」(1番から88番まで順に巡る)か「逆打ち」(88番から1番まで逆順に巡る)で巡ります。特に「逆打ち」は4年に一度の閏年に行うと功徳が大いとされています​。

郷照寺の境内の様子。左手に社殿、真ん中には常香炉、右手に社務所が映っています。

最近では、香川県で正月の厄除けと言えばここ!に必ず上がるお寺で、2024年の三が日も195,000人の人出(四国新聞調べ)でした。

郷照寺の庭園。奥に池、その周囲を植栽が彩っています。手前にはツツジが咲いています。

鎌倉時代には時宗を開いた一遍上人がこの地を訪れ、踊り念仏を広めたことから時宗の札所になっており、四国八十八箇所霊場では唯一の時宗と真言宗の2つの宗派が共存する寺になっています。

公式WEB:郷照寺
住所  :香川県綾歌郡宇多津町山下1435
電話番号: 0877-49-0710
受付時間:9:00 AM ~ 4:00 PM
定休日 :宇多津駅から徒歩で20分
アクセス:坂出北IC/坂出ICから車で10分

ゴールドタワー:瀬戸大橋の壮大な景色と夜景ライトアップ

ゴールドタワーは、その名の通り外壁に6917枚のゴールドハーフミラーを採用した華やかな外観と多彩なアトラクションで知られる観光名所で、1988年3月18日のオープン以来、地域のランドマークとしても親しまれています。

高さは158メートルで、展望台からは瀬戸大橋を含む壮大な景色を楽しむことができます。

さらに、夜にはライトアップされ、天気予報に応じて色が変わる独特の演出が施されており、雨の予報であれば青色、それ以外の天気であれば黄色に輝きます。こうした演出が、タワーをより一層特別な存在にしています​。

朝焼けに照らされ金色に輝くゴールドタワー。手前には宇多津町のマンション群、奥には瀬戸内海と島々が映っています。

タワー自身が夕焼けに照らされる夕暮れ時の眺めはまさに息をのむ美しさ!夕景から夜景へ刻々と変化していく時間帯のパノラマ眺望は一見の価値ありです。

海側から見たゴールドタワー。朝焼けに照らされ、あたり一面がオレンジから青色に染められています。

公式WEB:GOLD TOWER
住所  :香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁8-1
電話番号: 0877-49-7070
アクセス:JR宇多津駅から徒歩で12分

四国最大の金魚テーマパーク『ソラキン』:天空のアクアリウムの魅力

「天空のアクアリウム ソラキン」は、2020年3月20日に開業した四国最大級の金魚をテーマにしたエンターテインメント空間です。

このアクアリウムはただの水槽展示にとどまらず、瀬戸内海や瀬戸大橋の自然景観を活かした斬新な展示方法を採用しており、昼夜や天候によって異なる見え方をすることで訪れるたびに様々な雰囲気を楽しむことができます。

館内は「天空の煌めき」と「天空の潤い」の2ゾーンに分かれており、それぞれ異なるコンセプトで構成されており、金魚とアートが融合した美しい世界を体験できるという、大人も子供も楽しめる内容となっています。

「天空の煌めき」は、金魚とミラーボールを使った異空間で、万華鏡をイメージしています。ミラーボール、アクリル、ライティングを駆使したアート水槽、映像とのコラボレーション、瀬戸内海を背景にしたそらきん水槽、現代的な金魚鉢を使った空間演出が特徴です。

「天空の潤い」は、熱帯魚や草花を使った森の中を冒険するような世界です。流木や貝殻、植物で装飾されたテラリウム水槽、地球を模した愛の球体水槽、熱帯魚とフラワーアレンジメントのコラボレーション、瀬戸内海を背景にした水槽、実験室風のラボ、ステンドグラスを使った空間など、6つのエリアに分かれています。

営業時間:平日 10:00〜18:00(最終入館受付 17:30)
     土日祝 10:00〜22:00(最終入館受付 21:30)
入館料 :大人(中学生以上)1,500円 ・ 小人(1歳~小学生)1,000円
定休日 :無休

四国水族館:瀬戸内海の生き物が織り成す美しい水景

四国水族館は、2020年6月に宇多津町の宇多津臨海公園内にオープンした、四国の豊かな水景をテーマにした次世代水族館です。四国を囲む瀬戸内海や太平洋、四万十川などの美しい水景を再現し、約400種類、14,000もの生き物たちが展示されています。

この水族館の主な見どころには、四国最大650㎥の大水槽「綿津見の景」や、鳴門海峡のうずしおを再現した「渦潮の景」、アカシュモクザメを観察できる「神無月の景」があり、これらの展示は訪れる人々に四国の自然の美しさと生き物たちの魅力を伝えています。

また、四国水族館ではイルカたちが泳ぐ「夕暮れの景」も人気で、イルカのプレイングタイム(イルカショー)が行われています。このプールは瀬戸内海を背にしており、特に夕暮れ時にはロマンチックな雰囲気を演出します。

その他にも、四国水族館はフィーディングタイムが見どころの一つであり、ペンギンやアシカ、アザラシたちの食事風景を飼育スタッフが紹介します。

四国水族館は、小さなお子さまから大人まで幅広く楽しめるスポットであり、四国の自然を感じられる貴重な場所としておすすめです。

公式WEB:四国水族館
住所  :香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4
電話番号: 0877-49-4590
営業時間:9:00 – 18:00 最終入館時刻は17:30
定休日 :年中無休
アクセス:電車/岡山駅から特急で32分、宇多津駅から徒歩約12分(宇多津駅から四国水族館までのシャトルタクシーやコミュニティバスあり)・坂出ICから車で約10分

宇多津臨海公園:瀬戸大橋と夕日が織りなす美しいロマンチックスポット

宇多津臨海公園は、瀬戸内海に面し瀬戸大橋を一望できる絶好のロケーションに約3.6ヘクタールの広大な面積を誇る公園で、夕日が美しく沈む瀬戸内海や、夜になると煌めく瀬戸大橋のライトアップは圧巻の美しさです。

宇多津臨海公園の遊歩道で夕焼けを眺めるカップルが映っています。奥に見える瀬戸内海には夕日が反射して金色に輝いています。

公園内には「恋人の聖地」と呼ばれる人気スポットがあり、そのモニュメントは多くのカップルに愛されています。加えて、デザイン賞を受賞したトイレがあるなど、公園の各所には訪れる人々を楽しませる工夫が施されています。

また、かつては塩田として利用されていた土地を再開発して作られたこの公園には、その歴史を伝える「うたづ海ホタル」という産業資料館があります。この資料館では、地域の塩業に関する貴重な資料や復元された塩田を通じて、かつての塩の生産過程を学ぶことができます。

宇多津臨海公園内のうたづ海ホタルの全景を前面から映しています。奥には小さく瀬戸内海も映っています。

公式WEB:宇多津臨海公園
住所  :香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4 
電話番号: 0877-49-0860
営業時間:うたづ海ホタル:9:00~21:00/海と空のカフェ:9:00~19:00(L.O.18:00)
閉園日 :年中無休 ※公園の利用は、月曜日・年末年始も可能です。
定休日 :【うたづ海ホタル・海と空のカフェ】月曜日(その日が祝日の場合は翌日)年末年始
アクセス:JR宇多津駅より徒歩約15分・坂出IC/坂出北ICより車で約10分

星空とひまわりのロマンが溢れる『まんのう町』!自然と伝統の息づく癒しの地

まんのう町は、香川県の豊かな自然と深い伝統が息づく地域です。四季折々の美しさを堪能できるこの町では、特に夏のひまわり畑と夜空に輝く無数の星が訪れる人々の心に深い感動を与えます。国営讃岐まんのう公園では、四国で唯一の国営公園としてその広大な敷地と様々なレクリエーション施設で訪れる家族や友人たちに楽しい一日を満喫することができます。
そして、まんのう町の夏は、中山ひまわり団地に30万本ものひまわりが咲き誇り、眩いばかりの黄金色の風景を作り出します。夜には、まんのう天文台からの星空観察が、宇宙の神秘と美しさを感じさせてくれます。この地でしか体験できない星空とひまわりのロマンを求めて、多くの人々がまんのう町の自然と伝統の息づく癒しの地へと足を運びます。

高台から眺めた満濃池。池の周辺を囲むように鬱蒼と生い茂った木々が映っています。

国営讃岐まんのう公園:四国唯一の国営公園の魅力と楽しみ方

国営讃岐まんのう公園は、日本最大の灌漑用のため池であり国の名勝にも指定されている満濃池のほとりに広がる四国で唯一の国営公園です。
広大な350ヘクタールの敷地には自然の恵み豊かな環境が広がっています。公園内では四季折々の花々が楽しめ、特に桜やネモフィラ、あじさい、コキア、コスモスなどの開花時期には美しい花畑が広がります。

国営讃岐まんのう公園のアジサイ。手前にアジサイの群生、真ん中に遊歩道、奥には池が一部映り込んでいます。
国営讃岐まんのう公園のコキア。茶色から赤色へ徐々に色づいているコキアの群生が映っています。

また、季節ごとに多彩なイベントが開催されており、春には「春らんまんフェスタ」や「四国B級ご当地グルメフェスタ」、夏には「あじさいまつり」や「サマーフェスタ」、秋には「コスモスフェスタ」など、訪れるたびに新しい発見があります​。

冬の期間におすすめのイベントとして「ウィンターファンタジー」では、イルミネーションが公園を華麗に照らし出します。
このイベントでは、約50万個の光の球が園内を美しく彩り、毎年11月の終わりから翌年の年始までの間は開園時間が延長されます。特に「昇竜の滝」や「芝生広場」では、光り輝く壮麗な空間が出現し、日中の姿とは異なる夢のような幻想的な雰囲気を演出します。

国営讃岐まんのう公園の冬のイルミネーション。芝生広場の一面に様々な模様のイルミネーションが描かれています。

公式WEB:国営讃岐まんのう公園
住所  :香川県仲多度郡まんのう町吉野4243-12
電話番号: 0877-79-1700
営業時間:9:30~17:00(季節により変動あり)
入園料 :大人(15歳以上)450円、シルバー(65歳以上)210円、小人(中学生以下)無料
定休日 :火曜日(祝日の場合、翌日閉園)
アクセス:善通寺ICより車で約25分・美馬ICより車で約40分

夏の絶景!中山ひまわり団地の魅力:30万本のひまわりが彩る黄金色の風景

中山ひまわり団地は、インターネット調査の「夏に行きたい!ひまわり畑ランキング」で全国3位に選ばれた人気のフォトスポットで、まるで映画のワンシーンに登場するようなフォトジェニックな景観を楽しむことができます。
約4ヘクタールの敷地に約30万本のひまわりが植えられており、毎年7月中旬~下旬には見ごろを迎え、あたり一面が黄金色に輝く景色は訪れる人々の心を奪います。

毎年7月上旬には「ひまわりまつり」が中山ひまわり団地と周辺の「帆山ひまわり団地」で開催されます。期間中はひまわり迷路や様々なイベント、そして飲食ブースなどが設けられ、地元はもちろんのこと、県外からも多くの観光客が訪れる大人気のイベントとなっています。

公式WEB:中山ひまわり団地
住所  :香川県仲多度郡まんのう町後山
電話番号: 087-832-3377
営業時間:24時間入場可能
定休日 :なし
料金  :無料
アクセス:善通寺ICより車で約20分・JR塩入駅より徒歩25分(2km)

まんのう天文台:星空愛好家必見の絶景スポット

「まんのう天文台」は、自然豊かな讃岐山脈の大川山頂上にある天文台で、都市の光害から離れた場所に位置しているため、晴れた夜には満天の星空を望むことができます。

2009年12月、火星と木星の軌道の間にある小惑星群の中の一つに「Mannoucho(まんのう町)」という名前が付けられたことがきっかけとなり、まんのう町では子供たちに宇宙への関心を高めてもらうこと、そして「星が輝くまちづくり」を目指して、2014年4月に大川山の山頂付近にこちらの天文台が設立されました。

手前にまんのう天文台の建物、奥にはと満天の星空が映っています。

まんのう天文台では、4月から11月末までの毎週金曜日から日曜日に「天体観望会」を実施しており、参加者は実際に望遠鏡を使って天体を観察できます。また、同じく毎週金曜日から日曜日の10時から17時まで、事前の予約なしで天文台内を見学することもできます。
1階の展示室では、季節ごとの天体写真も展示されています。

公式WEB:まんのう天文台
住所  :香川県仲多度郡まんのう町中通1156-242
電話番号: 0877-89-0619
営業時間:金/土/日曜日:10:00~17:00
定休日 :月~木曜日、12/28~1/4
料金  :施設見学 無料・天体観望会 200円
アクセス:まんのう町役場より車で約50分・琴南公民館より車で約20分

※小学生以下は無料ですが、保護者または成人の引率者の同伴が必要です。
※観望会に参加する方は1週間前までに事前申し込みが必要です。

神聖と冒険が息づく『綾川町』!学問の神様から空の展望まで

綾川町は、香川県の豊かな自然と歴史が息づく地域であり、学問の神様を祀る滝宮天満宮から始まり、空の大パノラマを楽しめる高松航空公園まで、冒険と発見の旅が待っています。
古くから学問の神様 として親しまれる滝宮天満宮は、多くの参拝者で賑わい、心の平穏と知識への渇望を同時に満たしてくれます。また、道の駅「滝宮」では、地元香川の新鮮な味覚を堪能しながら、地域の魅力を再発見することができます。さらに、高松航空公園では、飛行機の離着陸を間近に見ることができるだけでなく、空港のダイナミックな息づかいを肌で感じることができる壮大な展望台が訪れる人々を魅了します。

綾川町を流れる綾川。川岸の木々が水面に反射して映り込み、奥には橋と一部の街並みが映っています。

滝宮天満宮:学問の神様を祀る古来からの聖地

「滝宮天満宮」は、歴史と自然が融合した魅力的な神社です。この神社は、古来より学問の神様として崇められる菅原道真公を祀っており、学問や試験の合格祈願をはじめとする様々な願い事を捧げるため、受験シーズンや初詣には多くの人々が訪れます。

滝宮天満宮を正面から映しており、扁額には「天満宮」と書かれています。
滝宮天満宮の社殿。社殿の前には2台の灯篭と合格祈願の絵馬のモニュメントが置かれています。

滝宮天満宮では、年間を通して様々な行事が行われていますが、特に注目すべき個性的な祭事が「滝宮の念仏踊り」「うそ替え祭り」です。

滝宮の念仏踊り

滝宮の念仏踊りは、毎年8月25日に行われる千年以上続く神事で、菅原道真への感謝と五穀豊穣を祈念し、滝宮神社と滝宮天満宮に奉納する踊りです。
菅原道真が赴任中の仁和4年(888年)、讃岐国は大干ばつに見舞われ、道真はこの困難を乗り越えるために自ら7日間の断食を行い、雨乞いの祈祷を行ったと伝えられています。その結果、ようやく雨が降り始めたとされ、この喜びに満ちた出来事の後、人々は国司の館に集まり歓喜のあまり踊り明かしたといいます。この踊りが「滝宮の念仏踊り」の始まりとされ、現代に至るまで続いています。
「滝宮の念仏踊り」は無形民俗文化財に指定され、2022年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

境内で大きな団扇を持つ下知(げんじ)と呼ばれる踊り手と、中鉦(なかがね)と太鼓打ちを中心にして、それらの音頭をとる願成就(がんじょなり)や外鉦(そとがね)・笛・法螺貝が取り囲んでいます。

うそ替え祭り

「うそ替え祭り」は、毎年4月25日に行われる神事で、太宰府天満宮や亀戸天神などの天満宮でのみ行われる特殊な儀式です。香川県では滝宮天満宮でのみ行われています。
滝宮天満宮のうそ替え祭りでは、鷽鳥(うそどり)と呼ばれる鳥の人形を手作業で制作し、祈祷の後に参拝者に授与されます。参拝者は心を込めて「かえましょ、かえましょ」という掛け声とともに、うそ鳥を交換していきます。これにより、一年の間に犯した罪や穢れが清められ、悪しきことは「うそ」となり、良いことに変わるとされています。この儀式は「うそかえ」と呼ばれています。この神事は昭和9年(1934年)から続けられており、地域の文化として大切に守られています。

公式WEB:滝宮天満宮
住所  :香川県綾歌郡綾川町滝宮1314
電話番号: 087-876-0199
受付時間:9:00~16:00(正月三が日を除く)
アクセス:ことでん滝宮駅から徒歩5分・府中湖スマートICから車で5分

道の駅「滝宮」の魅力とは?:香川の味覚を満喫

道の駅「滝宮」が位置する綾川町の滝宮地区は讃岐うどんの発祥地として知られています。
伝承によると、うどんはこの地域に仏僧の空海(774年~835年)によってもたらされたと言われています。空海は香川出身で、中国で2年間学んだ後、うどんの作り方などの豊富な知識を持ち帰ったと伝えられています。

国道32号線沿いに位置する道の駅「滝宮」は、2021年3月28日に「うどんといちごの郷」としてグランドリニューアルオープンしました。

高台から見た道の駅「滝宮」の駐車場と建物の全景。駐車場には数多くの車が止まっており、写真左手には「うどんといちごの郷」と書かれた看板が映っています。

店内には粉から製麺する本格手打ちセルフうどん店「さぬきうどんの駅 綾川」があり、香川県産の小麦を使用したうどんを提供するとともに、定番メニューに加えて季節限定のうどんもお楽しみいただけます。
また、いちごに特化したスイーツ店「うふ、いちご。」や、讃岐うどんの品揃え日本一を誇る「ショップ綾川」、地元の名物である打ち込みうどんと骨付き鳥が楽しめる郷土料理レストラン「来るまや」や、県産新鮮農畜産物が揃うファーマーズマーケット「讃さん広場滝宮店」など、「うどんといちごの郷」は地元の新鮮な農産物やグルメ、うどんが楽しめる場所として地域の人々や観光客に愛されています。

道の駅「滝宮」の館内の様子。いちごコーナーには多くのイチゴ関連商品が陳列されています。

さらに、1月から5月までの期間中は、30分間食べ放題のイチゴ狩りが楽しめる「いちご農園」も運営しています。

手前に食べ頃に赤く色づいたイチゴ、奥にはまだ青白いイチゴが映っていて、背景にはグレーのビニールが張られています。

公式WEB:道の駅滝宮
住所  :香川県綾歌郡綾川町滝宮1578
電話番号: 087-876-5018
営業時間:9:00~17:00
定休日 :火曜日(祝日等は営業)※農産物直売所を除き
アクセス:琴電滝宮駅より10分・高松西ICまたは坂出ICより30分

高松航空公園:空港の息づかいを感じる壮大な展望台

高松航空公園は、壮大な展望台から讃岐平野や青い海、そして眼下に広がる高松空港の滑走路を一望できる場所です。360度のパノラマ展望台からは、讃岐平野の美しい風景や丸亀港、遠くには志度湾までを見渡すことができます。特に魅力的なのは、目の前に広がる高松空港の滑走路。飛行機が離陸する様子を間近で見ることができ、爽快な気分を味わえます。

高山航空公園に展示されているジェット機のアップ。後方より映した一枚で、尾翼に夕日が当たり銀色の機体が光り輝いています。

園内には本物の戦闘機が展示されており、ジェット機やヘリコプターが迫力のある姿を見せています。敷地内にある高山航空神社は空の神様(落ちない神様)とし、パークセンターで販売されているお守りが受験生に好評です。また、公園内には子供向けの遊具も充実しており、ジャングルジムやターザンロープなどで楽しい時間を過ごすことができます。日曜日には、地元の名物である「もち麦うどん」が販売され、多くの家族連れで賑わいます。

高山航空公園の広場の様子。右手に銀色のジェット機、左手奥にオレンジ色のヘリコプターが映っています。

公式WEB:高山航空公園
住所  :香川県綾歌郡綾川町東分乙390-17
電話番号: 087-876-5282
営業時間:4-9月/9:00~20:00・10-3月/9:00~18:00
定休日 :無休
アクセス:高松市中央部から車で約50分・高松西ICから車で約40分・高松空港から車で約30分

『丸亀市』の魅力再発見!石垣の美、伝統工芸、現代美術の探訪

丸亀市は、400年以上の歴史を誇る丸亀城を中心に栄えた城下町で、江戸時代には金毘羅宮への参拝者を迎える玄関港として繁栄し、今もまちの中には歴史文化を伝えるものが多く残されています。

朝日を背景になだらかな裾野が美しい飯野山(通称:讃岐富士)のシルエットが中央に移っており、手前には朝焼けの空と飯野山が水面に反射して映り込んでいます。

日本各地にはそれぞれの地域に「富士」の名前を付けた「郷土富士」がたくさんありますが、丸亀市の飯野山も「讃岐富士」として地元の人々に親しまれている市のシンボル的な存在です。
なだらかな裾野が美しく、標高422メートルの山頂からは瀬戸内海や四国の山々などの壮大な眺望を楽しむことができます。

丸亀城:石垣の名城として知られる日本一の高さを誇る平山城

丸亀城は丸亀市中心部の亀山(標高約66m)を利用し築かれた平山城で、別名亀山城とも呼ばれ「石垣の名城」として知られています。
内堀から天守閣に向かって美しい曲線を描く石垣は、下側の部分の勾配は緩やかで、上部に行くにつれて次第に急勾配になり、最後はほぼ垂直にそそり立つ様子が扇を開いたような形状であることから“扇の勾配”と呼ばれています。
山麓から山頂まで4重に重ねられた石垣は、総高60mとなり日本一の高さを誇ります。

優美な石垣の上に鎮座する丸亀城。青空とのコントラストが美しく、手前には一部松の木が映りこんでいます。

かつて江戸時代には、全国に170以上もの城が点在していましたが、江戸の終わりから明治時代にかけての紛争、明治政府の城郭廃止政策、自然災害、さらには第二次世界大戦による被害により、多くの城が破壊されました。
その結果、現在では江戸時代またはそれ以前に建てられた天守を有する城は、国内にわずか12城しか残っていません。これを「現存12天守」といい、国の重要文化財に指定されています。
丸亀城もその一つで、木造の天守は高さ15m、3層3階と現存する天守のなかで最も小さな規模となっています。

正門である「大手一の門」は、かつて藩士が太鼓を打ち鳴らし時を告げていたことから「太鼓門」とも呼ばれ、「大手二の門」とあわせて国の重要文化財に指定されています。
時を知らせる太鼓は、2006年に正午を知らせる「時太鼓」として復活し、打ち鳴らし体験も実施しています。

また大手門から天守のある本丸に続く急な坂道は「見返り坂」として知られています。
斜度約10度の急勾配を持ち、どれくらい登ったか誰もが思わず振り返って確かめてしまうことからこのような名前がついたのだとか。

丸亀城は亀山の山頂にある強固ながらも優美な石垣の上に築かれており、天守からは丸亀市内はもちろんその先の瀬戸内海まで見渡せる絶景が広がっています。

公式サイト:丸亀城
住所:〒763-0025 香川県丸亀市一番丁
TEL:0877-22-0331(丸亀市観光協会)

[営業時間]
天守 9:00~16:30(入場は16:00まで)
大手一の門 9:00~16:00

[観覧料]
大人 200円
子供(小・中学生)100円
※2024年4月1日より丸亀城天守入城料は、大人 400円、子供(中学生以下)無料に改定。
※団体( 20人以上)2割引き。
※丸亀市内在住の65歳以上、各種障害者手帳をお持ちの方と介護者は無料。

[丸亀城太鼓門での時太鼓体験]
料金は無料。事前予約は不要で当日11:50までに受付。
詳細はこちらから

丸亀うちわの魅力:全国シェア90%を誇る香川県の伝統工芸品

丸亀うちわは、江戸時代初期に香川県丸亀市で始まり、現在では年間約8,300万本を生産し、全国シェアの90%を占めています。この地域特有の伝統工芸品として、1997年5月には国の伝統的工芸品に指定されました。

その歴史は、金比羅参詣の土産物として朱赤に丸金印の渋うちわが作られたことに由来し、天明年間(1781~1789年)には丸亀藩の下級武士の内職として奨励されました​。

竹と和紙で出来た、和の趣を感じる丸亀うちわ。ピンクと黄色のグラデーション、抹茶色、赤と青のグラデーションの3本あります。

丸亀うちわの製造には、地元で容易に手に入る素材が用いられます。
竹は愛媛県(伊予)から、紙は高知県(土佐)から、のりは徳島県(阿波)から供給されることで、「伊予竹に土佐紙貼りてあわ(阿波)ぐれば讃岐うちわで至極(四国)涼しい」という言葉に象徴されるように、四国内の素材が組み合わされています。この地理的利点は、交通が不便だった江戸時代はもちろん、現代においても大きな強みとなっています​

製造工程の一部で、木製の囲いの中に幾重にも重なるように置かれているうちわの骨が映っています。

クーラーや扇風機の普及により、うちわの需要は昭和30年前後の最盛期に比べて減少傾向にありますが、その風情ある美しさから日本の夏の風物詩として根強い人気があります​。

丸亀うちわの製造には47もの工程があり、熟練した職人の手仕事は1997年に国の伝統的工芸品に認定されるほどその技術と品質が高く評価されています。

丸亀うちわは、その製造過程や用いられる素材において、その地域社会の歴史や生活様式、さらには地域間の結びつきを象徴しており、現代においてもその価値を継承し続けています。

丸亀うちわミュージアムの入り口。手前にはミュージアムの名前が入った石看板、奥にミュージアム入り口へと続く茶色のケートと建物が映っています。

なお、丸亀うちわの歴史や製造過程は「丸亀うちわミュージアム」で学ぶことができます。
うちわの製作体験も開催されており、旅の思い出に自分だけのオリジナル丸亀うちわを作ってみてはいかがでしょうか。

公式サイト:丸亀うちわミュージアム
住所:〒763-0054 香川県丸亀市中津町25-1
TEL:0877-24-7055

[営業時間]
9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始12月29日~1月3日

[入場料]
無料

[丸亀うちわ製作体験]
ご予約はこちらから

猪熊弦一郎現代美術館:心を豊かにする丸亀市の美術の宝庫

猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)は、丸亀市制施行90周年記念事業として1991年に丸亀駅前に開館した美術館で、日本の洋画家である猪熊弦一郎(1902-1993)の作品を中心に展示しています。

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の正面。巨大なコンクリートの四角い入り口。手前に、黄色い棒状の折り曲がったオブジェがあります。奥には白い壁画に動物やヘリコプターの絵が黒い線で描かれています。

丸亀市出身で戦前から戦後にかけてパリ、東京、ニューヨークで活躍した猪熊弦一郎は、上野駅中央改札の壁画「自由」や百貨店三越の包装紙デザイン「華ひらく」など、日常生活の中で広く親しまれる作品を数多く手掛けたことで有名な画家です。

猪熊弦一郎の全面的な協力で開館したこちらの美術館では、猪熊本人から寄贈された約2万点の作品の常設展示のほか、現代美術の理解を深めるための特別展示やワークショップが定期的に開催されています。
また、教育的な取り組みとしては、子供たちの創造性や感受性を養うためのワークショップや、講演会、コンサートなど多岐にわたるプログラムを提供しています。

猪熊は美術館の役割を「訪れる人々が美術作品を鑑賞することで心が豊かになり、新たな刺激を受けることができる場所」として考え「美術館は心の病院」という考えを残しました。
この言葉に込められた猪熊の願いを感じ、心を豊かにする旅の一つとして、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

公式サイト:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
住所:〒763-0022 香川県丸亀市浜町80-1
TEL:0877-24-7755

[営業時間]
10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末12月25日~31日、臨時休館日

[観覧料]
企画展 展覧会ごとに定める
常設展 一般 300円(240円) 大学生 200円(160円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下または18歳未満、丸亀市内在住の65歳以上、各種障害者手帳をお持ちの方(ご本人と同伴の介護者1名)は、展覧会の観覧料無料。

江戸の風情感じる『多度津町』!金毘羅街道から海岸寺までの歩み

多度津町はかつて北海道や東北からの産物を運ぶ北前船の寄港地として栄え、西国からの金毘羅参りの船も大いににぎわいました。特に「讃岐三白」と呼ばれる砂糖、綿、塩の貿易が町の発展を支えていました。

現在でも「旧合田家住宅」などの歴史的建造物が当時の面影を色濃く残しています。

道路の左右に、昔ながらの木造の住宅が並んでいます。提灯や木の立て看板などがある風情ある光景です。

また、香川県屈指のお花見スポット桃陵公園や、ウィンドサーフィンの聖地の屏風浦、映画のロケ地としても知られる高見島、佐柳島などの見どころもたくさんあります。

佐柳島の後方から朝日が昇り、あたり一面を黄金色に染めています。海面もリフレクションで輝いています。

美しい瀬戸内海の多島美を楽しむことができる多度津町の豊かな自然と深い歴史に触れてみてください。

金毘羅街道の歴史的旅路:江戸時代の参拝者の足跡を辿る

金毘羅街道は、江戸時代中期以後に「一生に一度は、こんぴらさんへ」と言われるほどに盛んになった金刀比羅宮への参詣道として整備された街道です。
江戸時代には一般の人々が自由に旅行することは制限されていましたが、寺社への参拝目的の旅行は例外として認められていました。
そのため当時大流行したお伊勢参り(伊勢神宮)とともに、こんぴらさんへの参拝も人々にとって非常に憧れの旅先だったのです。

満開の桜の向こうに、白い壁、緑の屋根の5重の塔が見えます。

多度津金毘羅街道は、多度津の港から出発し須賀金毘羅社を横目に南へ向かいます。そして古い街並みが残る本通り商店街を通り、桜川に到着。そこから西にある鶴橋を渡ると、現在は桃陵公園に移設されている、かつての一の鳥居にたどり着きます。

桃陵公園は多度津町の港を見下ろす高台にあり、瀬戸内海の美しい海と多島美が眼下に広がります。約1500本のソメイヨシノが咲き誇るこの公園は、桜の名所としても知られています。

青い空の中、満開に咲いたソメイヨシノの枝のアップ。

街道沿いには、金毘羅参りの道しるべとなった「金毘羅燈籠」などの石造物が今もなお残されています。

旧合田家住宅:多度津の歴史を彩る重要文化財

旧合田家住宅(通称:合田邸)は、多度津町の中心部であり金毘羅街道の「本町筋」と「川端筋」が交わる地点近くにある町が認定した重要な文化財です。この豪華な邸宅は、近世から近代にかけて豪商・事業家・政治家として活躍した合田家一族が代々継承しながら完成させた大邸宅です。

2階建ての木造、瓦屋根の邸宅。壁面はガラスになっており歴史を感じる建物。

合田家はもともと香川県の豊浜(現観音寺市)にルーツを持ち、1845年に多度津の港を通じて商売を展開するためにこの地に移り住みました。初代当主の合田大吉は港を利用して砂糖や肥料の取引から事業をスタートさせ、大きな成功を収めました。

大吉の息子の房太郎は、父から受け継いだ財をもとに多度津銀行や四国水力電気の重要ポストを務め、地域の近代化に大きく貢献しました。
これにより合田家は、地域で「多度津七福神」と称される7つの富豪の一つに数えられるようになりました。房太郎の息子の健吉は事業家として、また貴族院議員や町長として地域社会に貢献しました。

旧合田家住宅の部屋。畳の上に木製のテーブルがあり、床の間には兜が飾られている。天井から洋風の電灯で、部屋が照らされており、椅子も4脚奥の方へ並べられている。

異なる時代やスタイルの建物が一つの敷地内に並び、その多様性が大きな魅力となっている合田邸は、多度津の伝統と歴史を伝える貴重な建築物として、また地域の伝統的な景観を形作る中心施設として、2021年3月に町の有形文化財に認定されました。

公式サイト(多度津町HP):旧合田家住宅(島屋)
住所:〒764-0014 香川県仲多度郡多度津町本通1丁目5
TEL:0877-33-0700(多度津町 教育委員会事務局 生涯学習課)

※現在、文化財の保存に向けた保全工事を実施中のため、見学は中止しております。

海岸寺と屏風浦公園:弘法大師の足跡を辿る多度津町の絶景

屏風浦は、その名の通り屏風のように美しい景観を持つ海岸線が特徴で、多度津町の象徴的な自然景観として知られています。
弘法大師空海にゆかりのある海岸寺の裏に広がる美しい海岸で、寺の本堂から石畳に沿って歩くと瀬戸内海の壮大な景色が目の前に広がります。

海岸寺は四国別格二十霊場の第18番札所で、唐から帰還した弘法大師が母(玉依御前)の出身地であるこの地に立ち寄り、真言密教の技法を用いて病を治す法を修行し、海岸寺を開山したとされています。
奥之院には弘法大師の産屋跡と伝わる場所に建つ大師堂があり、御本尊は大師ご本人が作られた稚児大師が祀られています。なお、こちらの大師像は日本で唯一赤ちゃんの姿をしています。

丸いトンネル状に整えられた松の枝の先に、青い海と空、美しい島々が見えます。

屏風ヶ浦公園はこの自然豊かな海岸線を一望できる場所に位置しており、園内にある松の木の輪からは高見島をくっきりと眺めることができる絶好のフォトスポットです。

屏風ヶ浦公園
住所:〒764-0037 香川県仲多度郡多度津町西白方997

『琴平町』を訪れるべき理由がここに!金刀比羅宮とその周辺の魅力

琴平町は「こんぴらさん」として親しまれている金刀比羅宮の門前町として栄えてきたまちです。金刀比羅宮に向かう街道から見える山は、その形が象の頭に似ていることから「象頭山」と名付けられ、金刀比羅宮はこの象頭山の中腹に鎮座しています。山の頂上からは、讃岐平野と瀬戸内海の美しい風景を一望できます。

緑の山の麓には町が見え、所々桜が咲いている。鮮やかなピンクや赤色の花も咲いている。

琴平町では、年間を通してさまざまな神事やイベントが開催されます。春には「四国こんぴら歌舞伎大芝居」公演があり、夏には心温まる「灯ろう流し」、秋には「氏子祭」や金刀比羅宮の「例大祭」が行われます。冬には「こんぴら温泉まつり」で町はさらに活気づきます。

歴史ある建物や名所が町の至る所に点在する琴平町。伝統文化に触れ、温泉街で心身を癒しながら豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

金刀比羅宮:海の神様への信仰と航海の安全を祈る神社

金刀比羅宮は、全国各地からの多くの参拝者が訪れる神社で、古くから「海の神様」として親しまれています。

金刀比羅宮の正面。重厚な建物の両側には、丸金印の白い提灯がある。

金刀比羅宮の主たる御祭神は大物主神で、航海の安全や豊漁祈願、商売繁昌、病気平癒などにご利益があるとされ、古くから全国の人々に広く信仰されてきました。
金刀比羅宮が鎮座する象頭山は、その特異な形状から瀬戸内海を航行する船乗りたちの目印となっており、この神秘的な山の形が船乗りたちの心の支えとなり、海の安全を願う人々の信仰の対象となりました。
また、瀬戸内海の島々、特に塩飽諸島は古くから海上交通の要衝として知られており、操船技術に長けた船乗りたちが「こんぴらさん」の旗を掲げて全国各地を航行しました。源平合戦以降、これらの船乗りたちの繁栄と共に、「こんぴらさん」への信仰も広がり、金刀比羅宮が「海の神様」として広く知れ渡るようになりました​。

年間を通して例大祭や蹴鞠など様々な行事が行われ、特に10月10日の例大祭は最も重要な神事とされ、数百人による大行列が見どころの一つです。

金刀比羅宮への参道は、御本宮に至る785段の階段から始まり、奥社までを含めると1,368段の長い石段で知られ、参拝者はこの石段を登ります。

境内には重要文化財に指定された建物もあり、「表書院」では円山応挙による障壁画が見られます。また、かわいらしい「こんぴら狗」の銅像も人気スポットであり、これは飼い主に代わって参拝をした犬を象徴しています。
また、裏参道では春には桜、初夏にはつつじ、秋には紅葉と、四季折々の自然の美しさを楽しむことができ、訪れる人々に心穏やかな時間をもたらします。

金毘羅宮の表参道から紅葉を見下ろしており、緑から黄色そして赤色へと綺麗なグラデーションで紅葉が色づいています。

お守りや御朱印も多種多様にあり、「幸福の黄色いお守り」や「天狗御守」など、訪れた記念に購入する人が多いです。御朱印は期間限定のデザインも含め3種類あり、季節ごとに異なるデザインを楽しむことができます​。

金刀比羅宮は、日本全国から参拝者を集め、特に海事関係者からの信仰が篤い神社です。その長い歴史と文化的価値、そして豊かな自然に囲まれた立地は一度は訪れたい場所として多くの人に愛されています。

公式サイト:金刀比羅宮
住所:〒766-8501 香川県仲多度郡琴平町892-1
TEL:0877-75-2121

[営業時間]
〇大門(境内の入口)
6:00~18:00

〇御本宮
御扉 7:00~17:00
御祈祷授与所 9:00~17:00(御祈祷の受付は16:30まで)

〇厳魂神社(奥社)
御扉 9:00~16:30
御祈祷授与所 9:00~16:30(厳魂神社(奥社)での御祈祷は予約制。)
奥社道 9:00~17:00(7月15日〜9月30日までは7:00〜)

※奥社道は、台風・大雨・強風や、倒木・崩落などの場合、予告なしに閉鎖または通行禁止となる可能性があります。

江戸時代から続く伝統芸能、四国こんぴら歌舞伎大芝居の魅力

四国こんぴら歌舞伎大芝居は、琴平町にある国指定重要文化財「旧金毘羅大芝居(通称:金丸座)」で開催される歴史ある歌舞伎公演です。
金丸座は、江戸時代そのままの雰囲気を今に伝える日本で最も古い現存する芝居小屋の一つとして知られており、電気や機械を使わず、全て人力で操作される廻り舞台やセリ、スッポンなどの仕掛けが特徴で、照明も自然光のみを利用しています。

四国こんぴら歌舞伎大芝居は1985年から「金丸座」で開催されている歌舞伎公演で、四国地方に春の訪れを告げる風物詩として全国から多くの歌舞伎ファンが訪れます。

芝居小屋の左右には、5本ずつ旗が上げられている。正面には樽酒や歌舞伎公演者の名前が書かれた札や提灯が掲げられている。

旧金毘羅大芝居は1835年に建設が開始され、翌年に完成しました。その後、1970年に国の重要文化財に指定され、2002年と2003年には「平成の大修復」が行われ、耐震性の向上と歴史的な仕掛けの復元が実施されました。この大修復により、芝居小屋は江戸時代の造りに近い状態に復元され、撤去された鉄柱は記念モニュメントとして再利用されています。

歌舞伎座のステージ。奥には松の幕がかかり、天井からは提灯が下げられている。中央には舞台への道があります。

四国こんぴら歌舞伎大芝居の公演では、伝統的な歌舞伎の演目が上演され、多彩な演技や趣向が凝らされた舞台が展開されます。金丸座の周辺には、讃岐うどんの店や観光スポットが豊富にあり、公演を楽しんだ後に地元の魅力を味わうことができます。

公式サイト(琴平町観光協会):旧金毘羅大芝居「金丸座」
住所:〒766-0001 香川県仲多度郡琴平町乙1241
TEL:0877-75-6716(琴平町教育委員会)

こんぴら温泉郷:金刀比羅宮のふもとに広がる新しい癒しの温泉地

こんぴら温泉郷は、自然と歴史が息づく温泉地として注目を集めています。金刀比羅宮のふもとに広がるこの地は、1997年以降に温泉地として開発された比較的新しい温泉郷ですが、その温泉の質の高さで訪れる人々に癒しを与えてくれます。

露天風呂が手前と奥に2つ。日本庭園の中庭には、木が植えられ風情ある光景。

温泉郷の周辺には、酒蔵を利用した酒の歴史館・文化館や海の科学館、町立の歴史民俗資料館など、教育的価値の高い施設も充実しています。これらの施設を訪れることで、温泉だけでなく、地域の文化や歴史にも触れることができます。

道の両脇には、飲食店やお土産物を販売する店が並ぶ風景。こんぴらうどんやせんべいなどののぼりや看板が見える。人々が行き交っている。

こんぴら温泉郷には多様な宿泊施設があり、金比羅山の麓に位置する施設から家族風呂やプライベートな空間を提供する温泉旅館まで、様々なニーズに応える施設が揃っています​。これらの施設は、温泉の質とともに琴平の街並みや自然を楽しむことができるロケーションにあり、訪れる人々はリラクゼーションと文化の両方を体験することができます。

赤やピンク、白の花が浮かべられた、木製の露天風呂。赤い大きな傘や灯篭があり和の雰囲気。

金刀比羅宮で参拝した後は、温泉で心身共にリフレッシュし、歴史ある味わい深い琴平町の町並みを散策してみてはいかがでしょうか。

公式サイト(香川県観光協会):こんぴら温泉郷
※金刀比羅宮のふもとに広がる温泉街。

『善通寺市』を巡る旅!弘法大師空海の足跡と現代観光の融合

善通寺市は、古くから門前町として栄え、四国八十八ケ所霊場の中でも有名な五つの寺院(曼荼羅寺、出釋迦寺、甲山寺、善通寺、金倉寺)があります。
特に、善通寺は弘法大師空海の生まれた地としても知られており、今も多くの参拝者で賑わっています。

晴れた空の下、鎮座する五重塔。周辺の歴史的建造物や、遠くの町並み、山々まで見える。

地元の人々は、空海の教えに従い、温かいおもてなしの心を大切にしています。善通寺市を訪れると、日本の古き良き文化と、人々の心温まるおもてなしを感じることがことができるでしょう。また善通寺駅は四国で最も古い駅舎であり、国の登録有形文化財に認定されています。駅舎は瓦葺きの屋根と寄棟造りの、趣のある和洋折衷の建築が特徴です。

善通寺:弘法大師空海の生誕地と四国八十八カ所霊場の特別な札所

善通寺は、四国八十八カ所霊場巡りの第75番札所として知られています。創建は807年で、弘法大師空海が自身の生誕地に創建されました。
空海は774年にこの地で生まれ、後に真言宗の開祖となります。
善通寺は、空海によって建立されたことで特別な意味を持ち、京都の東寺や和歌山の高野山と並ぶ三大霊跡の一つとして古くから篤い信仰を集めています​。

善通寺の社殿。手前にはきれいに刈り込まれた植栽が映っています。

善通寺は二つの主要な区域、「伽藍」と称される東院(とういん)と「誕生院」と称される西院(さいいん)から成り立っており、それぞれが空海の人生の異なる側面を反映しています。
東院は空海自身によって創建された部分で、主な建物には金堂(こんどう)があります。ここには薬師如来を祀る木像が安置されており、健康や病気平癒の祈りの対象となっています。
西院は空海の生誕地を中心とした区域で、ここには彼が生まれたとされる御影堂(みえいどう)や、暗闇の回廊(かいだんめぐり)などがあります。

善通寺の花手水。竹の台の上にはカラフルな花々が飾られており、手杓が立てかけられています。

江戸時代まで「東院」と「西院」は別々のお寺として存在していましたが、明治時代に入りこれらが一つのお寺になり、現在のような総面積約45,000㎡におよぶ広大な境内となりました。

旧善通寺偕行社。白壁の緑の窓枠がアクセントの1階だての広い建物。手前の紅葉が日に照らされて美しく輝いている。

見どころの多い善通寺ですが、特に注目すべきは、中央の柱が地面に固定されず、天井から吊るされていることで地震に強い五重塔です。この設計により地震時に塔が揺れることができ、損傷を最小限に抑えます。

青空を背景に中央に善通寺の五重塔が映っており、右手手前に松の木、唐の奥には小高い山が映っています。

また、善通寺には、空海に関連する多くの聖地や遺物があり、その中には国宝や重要文化財に指定されたものも含まれます。

さらに、境内には弘法大師空海の誕生時にすでに存在していたとされる2本の大楠があり、これらは県の天然記念物に指定されています。

四国八十八箇所巡りの中でも、空海の生誕地であり、彼によって建立された善通寺は特別な位置を占めています。

基本情報

公式サイト:善通寺
住所:〒765-8506 香川県善通寺市善通寺町 3-3-1
TEL:0877-62-0111(代)

[営業時間]
〇堂舎の開扉時間
金堂(本堂) 7:00~17:00
御影堂 朝勤行~17:00
納経所 7:00~17:00
金堂御守所 8:00~17:00
四国八十八ケ所お砂踏み道場(遍照閣) 9:00~16:00

〇売店の営業時間
御影堂前売店 8:00~17:00
物産会館 9:00~17:00

〇駐車場
8:00~18:00

善通寺市観光交流センター:歴史的建築と現代の観光が融合する空間

善通寺市観光交流センターは、香川県善通寺市にある市民と観光客の交流の場として2011年に開設された施設で、昭和初期の建築美を今に伝える元料亭「旧すし傳」の建物を利用しており、その歴史的価値から善通寺市の指定文化財となっています。
善通寺市観光交流センターでは、四国遍路の情報提供はもちろん、地域の観光スポットやイベントに関する情報が豊富に用意されています。大型テレビでの情報提供や、充実したパンフレット類を通じて、訪れる人々に善通寺市の魅力を伝えています。また、大広間や和室を貸し出し、様々なイベントや集まりの場としても利用されています。

さらに、この施設の一角にある「供待の湯」は、訪問者にとって特別なリラクゼーションスポットです。供待の湯は足湯施設であり、料亭時代の名残をとどめるこの空間は、かつては客の供人のための控え場所として使われていました。今では誰もが無料で気軽に利用できる公共の場となり、訪れる人々に心地よい休息のひとときを与えてくれます。

白壁、瓦屋根の昔ながらの建物。入り口には暖簾がかかっている。

観光交流センターは、善通寺市の特産品を紹介する場としても機能しています。
キウイやダイシモチ麦を使った地元産品など、善通寺市ならではの商品を訪れる人々に紹介しており地域経済の促進にも貢献しています。
善通寺市観光交流センターは、観光案内所としての役割にとどまらず、文化財の保護、地域コミュニティの活性化、地域経済の支援といった多方面で善通寺市の魅力を発信しています。

公式サイト(善通寺市HP):善通寺市観光交流センター
住所:〒765-0003 香川県善通寺市善通寺町二丁目8-23
TEL:0877-64-1250

[営業時間]
9:00~19:00
休館日 火曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始12月29日~1月3日

※見学、足湯無料。

香川県中讃地域:うどんだけではない、自然と文化が織りなす魅力的な旅路

香川県中讃地域への旅は「うどん王国」として知られるこの地が、実は豊かな自然と深い文化で訪れる人々を温かく迎えてくれていることを、この究極ガイドを通じてお伝えしました。
瀬戸大橋の壮大な景観から、国営讃岐まんのう公園の緑豊かな広がり、そして金刀比羅宮の神聖な空間まで、中讃地域は多様な魅力を有しています。
この地域の芸術と手つかずの自然、そして歴史の中に息づく現代の響きは、訪れる人々の心を豊かにし、美しい旅の思い出として心に残ります。
香川県中讃地域の旅は、美味しいうどんを味わうとともに、地域の豊かな文化と自然を深く味わう機会となるでしょう。

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