香川県丸亀市、その地は瀬戸内海に面し、穏やかな気候と豊かな自然に恵まれた土地です。
ここには、日本の歴史や文化を感じさせる貴重な遺産が点在し、中でも丸亀城は、見事な石垣と美しい天守で知られ、城下町の風情を今に伝える歴史の宝庫です。
また、丸亀の伝統工芸品である丸亀うちわは、涼をもたらすだけでなく、その製法にも深い意味が込められており、見る者を魅了します。さらに、中津万象園・丸亀美術館では、自然とアートが見事に融合した空間が訪れる人々を迎えます。
この地を家族で旅することで、歴史と現代が織りなす豊かな文化を体感し、新たな発見と感動を得ることができるでしょう。
Contents
丸亀城完全ガイド!天守、石垣、そして美しい眺望のすべて
香川県丸亀市に鎮座する丸亀城は、その小さな天守と壮大な石垣で知られており、この対比が訪れる人々を魅了してやみません。
江戸時代に築かれた石垣の技術は、まさに芸術作品!様々な形状と配置の石が組み合わされ、城の堅固さと美しさを同時に語っています。
丸亀城では、天守閣から大手門、そして美しい石垣に至るまで、そのすべてが見どころです。また、城の構造は敵の侵攻を困難にするよう巧妙に設計されており、その防御の知恵を伝えています。
訪れた際には、石垣の細部にまで目を凝らし、天守の小さながらも堂々たる姿、そして瀬戸内海へと広がる絶景をお楽しみください。
丸亀城探訪:小さな天守と壮大な石垣の調和
丸亀城は、圧倒的な規模の石垣と、その頂上に鎮座する小さな天守のコントラストが印象的な城です。この城は、丸亀市の中心に位置する標高約66mの亀山とその周辺の平地を利用して造られた平山城で、小さな山や丘とその周辺の平地を利用する建築様式が特徴です。
構造は輪郭式(りんかくしき)で、天守がある本丸を中心に、それを守るように二の丸、さらにその外側を三の丸が囲むように配置されています。さらに、丸亀城の入り口である大手門から天守までが渦巻き状になっていることから、渦郭式(らせんしき)とも呼ばれています。
このような渦郭式の城は、丸亀城のほか、江戸城や姫路城にも見られ、拡張性が高く、敵の侵入を困難にする特徴があります。
丸亀城で見逃せないポイントは、石垣、天守、大手門です。
石垣は、江戸時代初期の石垣建築技術が最も発達していた時代に造られ、城内を見渡すと、打ち込みハギ、切り込みハギ、鏡石、高石垣、野面積みなど、様々な種類の石垣を見ることができます。特に、三の丸北側の美しく壮大な高石垣は必見です。
さらに、天守は日本に現存する12天守の一つで、その中でも最も小さい高さ14.5m。そして、丸亀城の入り口に相応しい堂々とした大手門があります。この天守と大手門は、国の重要文化財に指定されており、両方が現存するのは、丸亀城のほかに弘前城と高知城のみです。
丸亀城を訪れる際は、「石垣」「天守」「大手門」の3つをぜひ注目してください。
大手門から天守への道のりにある見どころ、そしてその途中で見られるさまざまな石垣の鑑賞ポイントを紹介します。
丸亀城の顔、大手門:櫓門と太鼓門の物語
丸亀城の正面玄関である大手門には、「大手一の門」と「大手二の門」の2つがあります。最初に通る門が「大手二の門」で、その次に通る門が「大手一の門」です。
大手二の門は、城や寺院の建築に用いられる高麗門(こうらいもん)で、威厳を感じさせます。一方、大手一の門は、丸亀城の入口にふさわしい堂々とした風格を持つ「櫓門(やぐらもん)」であり、櫓は敵の監視や攻撃に利用されていました。
また、この櫓には昔から変わらず太鼓が置かれています。かつてこの大手一の門では、藩士が太鼓を打ち鳴らし、丸亀の町に時を知らせていたことから「太鼓門」とも呼ばれるようになりました。
この大手一の門の櫓の上には登ることができ、昔の「石落とし」の窓や時太鼓を打ち鳴らす体験ができます。
息をのむ美景:見返り坂から望む扇の勾配の石垣
大手門から城内へと進み、三の丸、二の丸を経て坂を上りながら、天守が立つ本丸を目指します。
大手門を抜けて三の丸へと向かう道は、丸亀城で最も傾斜がきつい坂になっており、斜度は約10度です。その急な斜度のため、途中で振り返ってどれだけ登ったかを確認する人が多かったことから、この坂は「見返り坂」と呼ばれるようになりました。坂の周辺は緑豊かで、清々しい景色が広がっています。
見返り坂を登る途中、三の丸北側に美しい曲線を描く石垣が見えます。この石垣は丸亀城で最も高く積まれており、高さは20m以上にもなります。
下から上へ目を運ぶと、石垣は下側が緩やかで、上に行くほど反り返るように積み上げられていることがわかります。この姿が扇を開いたように見えることから、「扇の勾配」と呼ばれ、丸亀城では見逃せない名所となっています。
“扇の勾配”は、「高石垣」で築かれています。隅角部は「算木積み」という技法で造られており、大面と小面を交互に組み合わせて積み上げることで、強固でありながらも美しい勾配の高い石垣を築くことができます。
丸亀城三の丸広場:月見櫓跡から見る讃岐富士と土器川
見返り坂を登って三の丸にたどり着くと、丸亀市内や、遠く瀬戸内海まで見渡せる素晴らしい展望が広がっています。
また、三の丸広場の南東の隅には、少し高くなった石垣があり、これは月見櫓(つきみやぐら)の跡です。この場所からの眺めは格別で、正面には「讃岐富士」と呼ばれる飯野山と、雄大に流れる一級河川である土器川を望むことができます。
丸亀城二の丸:市民が愛する憩いの広場と深井戸
さらに坂を登ると二の丸に到着します。ここは市民の憩いの広場となっており、春には満開の桜が咲き誇り、お花見の名所として親しまれています。
広場の中央には日本一の深さを誇る井戸があります。この井戸は水深が30m以上もあり、現在も水を湛え、水面は三の丸北石垣の中央部分と同じ高さにあります。
本丸から一望:丸亀城天守の美と瀬戸内海の絶景
二の丸を上がると、ついに天守が鎮座する本丸に到着します。丸亀城の天守は、木造の3層3階構造で、小さいながらも優美な趣を放っています。
全体的に直線的な造りの中で、屋根の両端は上向きに跳ね上がっており、装飾も施されています。曲線を描く唐破風(からはふ)や、三角形の飾り屋根である千鳥破風(ちどりはふ)など、非常に目を引く格式高い風貌をしています。
天守内は見学可能で、一階には「丸亀城」に関する資料や旧藩主山崎家の家紋があしらわれた鬼瓦が展示されています。
最上階からの眺めは圧巻で、丸亀の城下町や瀬戸内海、周辺の島々、そして遠くには瀬戸大橋まで一望できます。
江戸時代の丸亀城の天守からはどのような眺望が広がっていたのか…などの思いを馳せながら丸亀のまちを見下ろしてみるのも楽しいですね。
丸亀城散策の終わりに:静寂な玄関先御門からの帰路
帰りは、三の丸から大手門とは反対側の南側へ下り、旧藩主居館の表門だった「玄関先御門」から出るのがおすすめです。
大手門がある北側とは違って、こちらは静かで落ち着いた雰囲気があります。実は、丸亀城はもともとこの南側が正面だったとされています。
丸亀城は、1597年(慶長2年)に生駒親正(いこま ちかまさ)によって築城され、その後藩主が山崎家から京極家に変わるなど、歴史を通じて何度も変遷を遂げました。城主が京極家に変わった際に、この南側の裏門から現在の位置に正門が移されました。
三の丸を下りて左へ進むと、野面(のづら)積みという自然石を積み上げた石垣があります。この野面積みは、丸亀城で見られる最も古い形式の石垣であり、石垣の基礎部分に使用されています。
この場所からは、三の丸と二の丸の上部を含む、様々な時代に作られた石垣を一望することができます。
歴史好き必見!丸亀城でできる最新VR体験と時太鼓体験
丸亀城では、最新VR技術を用いた歴史体験や太鼓門での時太鼓打ち体験を通じて、江戸時代の生活を現代技術と共に再現しています。歴史的魅力と文化の深さを体験し、記憶に残る瞬間を作ってみてはいかがでしょうか。
丸亀城VR体験で江戸時代へタイムスリップ!最新技術で歴史を学ぶ
丸亀城では、スマートフォンやタブレットの専用アプリを使用し、丸亀城内を巡りながら、最新のVR(バーチャルリアリティ)とAR(拡張現実)技術を駆使した体験ができます。
江戸時代の丸亀城を再現した丸亀城復元VRでは、かつての城の様子を360度映像で迫力満点に体感。またAR技術を用いて、丸亀城にゆかりのある人物と記念写真を撮ることができたり、実際に場内を歩きながら、江戸時代の賑わいや城の内部構造をリアルに体験したりすることが可能です。
さらに、場内にはクイズポイントが設けられており、丸亀城に関するクイズに挑戦することで、楽しみながら歴史を学ぶこともできます。
丸亀城の大手一の門で時代旅行!江戸時代の藩士になりきる時太鼓打ち鳴らし
丸亀城の大手一の門、通称「太鼓門」では、なんと江戸時代の藩士になったかのように「時太鼓」を鳴らす体験ができます。
かつて、この大手一の門では藩士が太鼓を叩いて周囲に時刻を知らせており、平成18年(2006年)に、正午の時刻を告げる「時太鼓」として復活しています。
打ち鳴らし体験は無料で、事前予約も必要ありません。当日11:50までに受付を済ませれば参加可能です。
江戸時代の藩士の気分を味わいながら、丸亀のまちに太鼓の音を響かせてみてはいかがでしょうか。
丸亀城は亀山の山頂にある強固ながらも優美な石垣の上に築かれており、天守からは丸亀市内はもちろんその先の瀬戸内海まで見渡せる絶景が広がっています。
公式サイト:丸亀城
住所:〒763-0025 香川県丸亀市一番丁
TEL:0877-22-0331(丸亀市観光協会)
[営業時間]
天守 9:00~16:30(入場は16:00まで)
大手一の門 9:00~16:00
[観覧料]
大人 200円
子供(小・中学生)100円
※2024年4月1日より丸亀城天守入城料は、大人 400円、子供(中学生以下)無料に改定。
※団体( 20人以上)2割引き。
※丸亀市内在住の65歳以上、各種障害者手帳をお持ちの方と介護者は無料。
[丸亀歴史体感アプリ]
事前にWi-Fi環境でのダウンロードがおすすめ。
詳細はこちらから
[丸亀城太鼓門での時太鼓体験]
料金は無料。事前予約は不要で当日11:50までに受付。
詳細はこちらから
伝統と技術の結晶「丸亀うちわ」:家族の思い出作りに最適な本格うちわ作り
丸亀市が誇る「丸亀うちわ」は、卓越した職人技と伝統が紡ぐ涼の芸術品です。全国有数のうちわ生産地である丸亀市は、数世紀にわたり受け継がれてきた技術と文化があります。
丸亀うちわがなぜ発展したのか、その理由は地域に根差した素材の豊富さと、緻密な工程を経る手作りの工芸品にあります。江戸時代初期から続くこの伝統は、地域全体で支えられ、現代においてもその技術と魅力を守り続けています。
丸亀うちわミュージアムでは、この貴重な文化遺産に触れるとともに、実際にうちわ作りを体験することができます。日本の夏を象徴する工芸品の製作過程を学んで特別な思い出を作りませんか。
江戸時代から続く涼の工芸品:丸亀うちわの世界
丸亀市は、「うちわ」の生産で非常に有名で、年間約8300万本を生産し、全国シェアの90%を占めています。丸亀うちわは、江戸時代初期に香川県丸亀市で始まり、1997年5月には国の伝統的工芸品に指定されました。
一本の竹から柄と骨を作り、47の工程を経て作られる「丸亀うちわ」は、竹がゆっくりとしなる感覚と、うちわに張られた紙が生み出す涼やかさと優美さが、卓越した職人技と日本の伝統文化の粋を感じさせます。
丸亀うちわの起源は、江戸時代初期に金比羅参詣の土産物として、朱赤に丸金印をあしらった渋うちわの製作に始まったとされています。
天明年間(1781~1789年)には、丸亀藩では下級武士の内職としてうちわ作りが奨励されたことにより、うちわの製作と発展が加速しました。
丸亀のうちわ作りが長年にわたって発展してきた大きな理由の一つは、必要な材料をすべてその地域近くで入手できることです。
丸亀地方には、「伊予竹に土佐紙貼りて阿波で糊付ければ、讃岐うちわで至極の涼しさを(四国で)楽しめる」という歌があります。
竹は愛媛県(伊予)、紙は高知県(土佐)、糊は徳島県(阿波)のように、丸亀うちわに必要な材料は近隣ですべて手に入りました。
このような環境が、丸亀のうちわ作りを長年にわたって支え、その発展を続けさせてきました。交通が不便だった江戸時代から現代に至るまで、この地域独特の利点を生かし、うちわ作りの技術と伝統が継承され発展してきたのです。
手作り体験で学ぶ、丸亀うちわの歴史と技術!丸亀うちわミュージアム
丸亀うちわミュージアムは、日本の伝統工芸品である丸亀うちわの歴史と文化を紹介する総合博物館です。
この博物館では、丸亀うちわの製作過程を紹介する模型人形や貴重な文献、さまざまな種類のうちわを展示しています。
また、実演コーナーでは、職人によるうちわ作りの技術と工程を間近で見学することができ、丸亀うちわの製作体験もできます。
丸亀うちわの製作体験は、『丸亀うちわミュージアム』および丸亀城内にある『うちわ工房「竹」』の2箇所で可能です。
どちらの施設も、竹製の本格的なうちわ製作を楽しむことができますが、『丸亀うちわミュージアム』では、丸亀うちわの豊富な歴史や貴重な展示物を通じて、うちわ製作を楽しみながらその魅力について深く学ぶことができます。
『丸亀うちわミュージアム』での、うちわ製作体験にかかる時間は、参加者が5人未満の場合は約40分から50分、5人以上の場合は約90分です。料金は1本につき1,000円で、体験には事前の予約が必要となります。
丸亀うちわ製作の流れは、まず用意されている豊富なデザインの中から、好きなデザインを一つ選ぶところから始まります。
そして、伝統工芸士や丸亀うちわニュー・マイスターと呼ばれる、丸亀うちわ作りのプロから丁寧に指導を受けながら製作していきます。
丸亀うちわ作りは、竹の柄と骨に紙を張り付けて作るため、張り付けた後は糊が乾くまで数分待ちます。
その間はミュージアム内を見学したり、ショップでお買い物を楽しむことができます。
糊が乾いたら、うちわの形を整えて完成です。
日本一のうちわ生産地で作った本格的な丸亀うちわは、家族の大切な旅の思い出になります。家に帰ったら、リビングに飾ったり、夏祭りや花火大会で持ち歩いたり、お家へ帰ってからも楽しみが広がります。
公式サイト:丸亀うちわミュージアム
住所:〒763-0054 香川県丸亀市中津町25-1
TEL:0877-24-7055
[営業時間]
9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日 毎週水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始12月29日~1月3日
[入場料]
無料
[丸亀うちわ製作体験]
ご予約はこちらから
中津万象園・丸亀美術館の魅力を徹底解説!丸亀市で体験する伝統とアートの融合
歴史と美の宝庫、「中津万象園・丸亀美術館」。江戸時代から続く大名庭園と、その中心にひっそりと佇む美術館で、自然と人間の創造力が織りなすアートを体験することができます。
この地は、古き良き日本の風情を今に伝える貴重な場所です。幻想的な稲荷社の鳥居回廊、伝統を感じさせる邀月橋、そして時を越えた大傘松が訪れる人々の心を捉えます。美術館内では、作品たちが静かに語りかけてくるのを感じることができます。
ここでは、家族で過ごす時間が芸術への関心を深め、新たな発見と共に心に刻まれることでしょう。
丸亀市の隠れた名所:「中津万象園・丸亀美術館」で過ごす歴史ある一日
中津万象園・丸亀美術館は、大名庭園「中津万象園」と、その園内にある「丸亀美術館」などの施設で構成された、自然の風景と美術品を同時に楽しめる魅力的なスポットです。
丸亀駅から徒歩約15分の位置にあり、中津万象園は隣接する「丸亀うちわミュージアム」からも直接入館できます。
この庭園は、貞享5年(1688年)に京極家の第2代藩主・高豊によって造られたもので、京極家の先祖の故郷である近江の八景を模しています。中央には琵琶湖を模した池と八つの島があり、これらの島々を結ぶ橋で回遊できるようになっています。
一周約1km(約40~50分のコース)のコンパクトなサイズの庭園のため、子ども連れの家族でも気軽に散策できる魅力があります。見どころも多く、飽きることなく楽しめますよ。
入館後、入口付近にトイレが設置されているため、散策前の利用がおすすめです。また、飛び石や池の中に浮かぶ足場があるため、遊び過ぎて池に落ちないように注意が必要です。
中津万象園の門番「邀月橋」:初めての訪問者を迎える朱色のアーチ
中津万象園に入って最初に目にするのが邀月橋です。
優雅で美しいアーチ状の大きな橋は、朱色で塗られており、写真撮影に最適なスポットです。橋から眺める景色は、緑豊かな公園全体を一望できます。
子供たちは橋を急いで渡りたくなるかもしれませんが、ぜひゆっくりと歩いて公園の絶景を心ゆくまで楽しんでください。
「大傘松」で感じる自然の偉大さ:園内の絶対に見逃せない景色
中津万象園で忘れてはいけない見どころの一つが、樹齢600年と言われる大傘松です。
「日本名松100選」にも選ばれており、直径15mにわたって広がるその姿は圧巻です。庭師の卓越した技術の素晴らしさには目を見張るものがあります。
また、庭園内には約1500本の様々な種類の松がいたるところに植えられており、庭園を回る際には、それぞれ個性的な幹や枝ぶりを楽しみながら散策するのがおすすめです。
歴史を感じる「観潮楼」:日本最古の煎茶席と自然と調和した庭園美
「大傘松」のすぐ近くには、見事な藁ぶき屋根の建物が見えます。こちらは母屋で、その隣には国内で現存する最古の煎茶席である「観潮楼」があります。
観潮楼は1781年(安永10年)に、当時の第5代藩主であった京極高中の時代に建てられました。その名の通り、観潮楼からはかつて瀬戸内海の満ち引きを眺めることができました。
この場所は、日本庭園の美しさとそこに自然に溶け込む個性的な松の木が調和している点が特徴です。歴史と自然が織りなす独自の雰囲気が非常に魅力的です。
竹林に包まれた「稲荷社と鳥居回廊」:写真映えする幽玄の世界
中津万象園にある稲荷社は、京都の伏見稲荷から勧請されたものであり、京極家が大名庭園を築いた時代からこの地に存在していると伝えられています。
一時期荒廃していたこの稲荷社ですが、1982年(昭和57年)に復元されました。さらに、2019年(令和元年)には園の南端に位置する竹林の中に、稲荷社へと続く鳥居回廊が整備されました。
この鳥居回廊は、緑豊かな竹林に囲まれた中で、朱色の鳥居が連なる印象的な景観を持ち、その幽玄な雰囲気が写真映えするスポットとしても人気があります。
記念撮影にぴったりの場所ですので、ぜひチェックしてください。
願い事を白い石に込めて:中津万象園「石投げ地蔵尊」の祈り
こちらは珍しい「石投げ地蔵尊」です。白い石に願い事を書き、お地蔵様の足元に投げ入れることで願いが叶うとされています。
十種類の福徳があると言われており、健康、財産、安産など、様々な福徳を受けることができるとされています。
あなたはどのような願いをしますか?願いを書くことで、その思いを形にすることができます。
ぜひ、白い石に願い事を書き、お地蔵様の足元に投げ入れてみてください。白い石は近くで100円で販売されています。
家族で楽しむアート体験:「丸亀美術館」で感じる芸術の美しさ
中津万象園の敷地内にある丸亀美術館には、絵画館と陶器館の2つがあります。
絵画館は、日本庭園に調和した平屋建ての数奇屋風の建物で、自然主義のバルビゾン派の絵画を中心に展示しています。(数奇屋とは、茶室の建築様式です。)
陶器館は、オリエント地域の雰囲気を取り入れ、周囲の松林と自然に溶け込むように建てられています。現在のイラン・イラクを中心に出土した土器や陶器などが展示されています。
日本庭園で自然の美しさに触れた後、美術館で芸術作品をゆっくり鑑賞するのも、心を豊かにする旅になりますね。子どもの頃からアートに親しむことは、想像力や創造性を育むのに役立ちますよ。
公式サイト:中津万象園・丸亀美術館
住所:〒763-0054 香川県丸亀市中津町25-1
TEL:0877-23-6326
[営業時間]
9:30~17:00(最終受付 16:30。入園・入館共通)
休館日 毎週水曜日(祝日の場合は通常営業、代替休園日なし)
※冬季は安全確保のため16:30閉園。詳細は公式サイトよりご確認ください。
[入場料]
〇庭園(庭園・陶器館)
大人 700円
小人(小・中生) 300円
※障がい者手帳をお持ちの方は、大人 500円、小人(小・中生) 150円。
〇絵画館(常設展)
大人 500円
小人(小・中生) 200円
〇庭園+絵画館セット券
大人 1,200円
小人(小・中生) 500円
※公式サイトから入園料割引券(10%OFF)が入手できます。
※丸亀市民は庭園の入園料が半額。
※庭園+絵画館セット券のみ、団体( 20人以上)2割引き。
丸亀市で見つける貴重な思い出:歴史、伝統、芸術を体験する旅
香川県丸亀市の旅は、単に観光を楽しむだけでなく、歴史と伝統、そして芸術に触れ合う体験になります。
壮大な石垣が特徴の丸亀城から始まり、涼やかな風を呼ぶ伝統の丸亀うちわ、さらには歴史とアートが融合する中津万象園や丸亀美術館に至るまで、丸亀市はさまざまな魅力にあふれています。
これらの地が持つ文化的価値は、訪れる人々に深い印象と学びを与え、そして何よりも貴重な思い出になります。
丸亀市を旅することで、日本の歴史と文化の奥深さを、まるで時間を超える旅をするかのように体験することができます。
家族で訪れることは、次世代に文化を伝える重要な機会にもなります。丸亀市での旅は、ただの観光を超えて、心に残る豊かな経験となるでしょう。
丸亀城の主な石垣は、「打ち込みハギ」と呼ばれる技法で造られており、これには割って加工された石が用いられています。
大手門の近くでは、削り出し加工した石を使って積み上げた「切り込みハギ」と呼ばれる石垣や、2m以上の大きな「鏡石」という石が見られます。また「鏡石」の近くには、「幸運のハート石」と呼ばれるハート型の愛らしい石もあり、隠れた人気写真撮影スポットとなっています。