福岡を拠点に活動するアーティスト、Backside works.の個展「いでよ! 悪魔な召喚嬢」が、2026年8月15日(土)から8月29日(土)まで、東京・神宮前のSH GALLERYで開催される。
Backside works.にとって、東京では約2年ぶりとなる個展だ。会場では、オリジナルのキャンバス作品を中心に、見る角度によって絵柄が変化するレンチキュラー版画などの新作が発表される。
サブカルチャーの記憶から生まれるヒロイン像
Backside works.が繰り返し描いてきたのは、日本のアニメや漫画、キャラクター文化を想起させる「ヒロイン」だ。
その背景には、1980年代後半から1990年代、2000年代にかけて広がった日本のサブカルチャーがある。作品には、当時のキャラクター表現や広告、雑誌、ファッションなどに通じる視覚的な記憶が取り込まれている。
ただし、過去のキャラクター文化をそのまま再現しているわけではない。アニメや漫画に親しんだ世代が共有する懐かしさを起点にしながら、輪郭や色彩、衣服、ポーズといった要素を再構成し、現代の作品として提示している。
今回の展覧会で焦点となるのは、「美少女ヒロイン」という存在だ。
「美少女」という言葉は、単に少女の容姿を表すだけではなく、日本の漫画、アニメ、ゲーム、広告などを横断して形成されてきた独特の視覚文化でもある。時代ごとに絵柄や服装、性格、物語上の役割を変化させながら、さまざまなヒロイン像が生み出されてきた。
Backside works.の作品は、そうした文化的な蓄積を背景に持つ。鑑賞者は一人のキャラクターを見ると同時に、自身がこれまで触れてきた漫画やアニメ、ファッション、音楽などの記憶を重ねることになる。
平面作品に動きを生み出すレンチキュラー

会場では、キャンバス作品に加えて、レンチキュラー版画も展示される。
レンチキュラーとは、見る位置や角度によって異なる絵柄が現れる印刷技法だ。鑑賞者が作品の前を移動すると、静止しているはずのイメージが変化して見える。
キャラクターの表情や姿を一つの画面に固定するのではなく、鑑賞者の動きによって複数のイメージを立ち上げる点に、この技法の特徴がある。
アニメーションやゲームのように、時間の経過とともに姿を変えるキャラクター表現を、物理的な版画として成立させる試みとも捉えられるだろう。
今回の展示では、キャンバスに描かれた一つのイメージと、角度によって変化するレンチキュラー作品を見比べることで、Backside works.がヒロイン像をどのように構築しているのかを確認できる。
ファンとの関係を展示空間へ
Backside works.は今回の展覧会について、「作品を通して、いつも応援してくれることへの感謝を伝えたい」とコメントしている。
その言葉が示すように、本展は新作を発表する場であると同時に、これまで作品を支持してきたファンとの関係をあらためて提示する機会にもなっている。
キャラクターを中心とした作品は、鑑賞者が作品に感情移入したり、自身の記憶と結びつけたりすることで、強い関係性を生みやすい。
作品が展示され、鑑賞され、共有され、時にはグッズや印刷物として所有される。Backside works.の活動は、現代美術、ストリートカルチャー、キャラクター文化、ファッションといった複数の領域を横断しながら、作品とファンの接点を広げてきた。
今回の個展でも、原画と版画、展示空間、ノベルティといった異なる形式を通じて、作品を「見る」だけにとどまらない体験が構成される。
新作レンチキュラー版画を抽選販売

展覧会初日の8月15日(土)から、新作レンチキュラー版画の抽選販売が行われる。
応募方法や販売作品などの詳細は、展覧会開始前日までにSH GALLERYの公式Instagramで発表される予定だ。
レンチキュラーキーホルダーを無料配布

8月15日(土)と16日(日)には、Backside works.のレンチキュラーキーホルダーがノベルティとして無料配布される。
キーホルダーはSH GALLERYの会場で行われる、くじ引きの当選者に配布される。予定数がなくなり次第終了となる。
通常、SH GALLERYは日曜日と月曜日が休廊日だが、8月16日(日)は特別に開廊する。
Backside works.


Backside works.は、福岡を拠点として活動するアーティストである。
ペインティング、スプレー、シルクスクリーン、ジークレー、ステッカーなど多彩な技法を用い、80年代の昭和末期、90年代、そして2000年代の平成日本のサブカルチャーへの憧れとノスタルジーを原点に制作を続けている。
その作品は、当時のカルチャーへの敬意や記憶を現代的な視点で再構築し、多くの人々の共感を呼んでいる。
リーバイス、コンバース、週刊少年ジャンプ、サンリオなど数多くのブランドとのコラボレーションも手がけており、その活動領域はアートシーンにとどまらず、幅広いカルチャーへと広がっている。
展覧会概要
抽選販売およびノベルティ配布の詳細は、SH GALLERYの公式Instagramで確認できる。
SH GALLERY
2015年に東京で設立されたSH GALLERYは、2016年にアートフェア東京へ初出展して以来、日本国内のみならず海外の主要なアートフェアへと活動の場を広げている。ギャラリーでの展覧会は多くのアートファンを魅了し、コンテンポラリーアート界における存在感を示してきた。
2021年に東京・原宿へ移転し、2023年から2025年にかけてはソウルにも拠点を構え、日本を越えて国際的な舞台へと活動の幅を広げた。
SH GALLERYでは、新進気鋭のアーティストの発掘と育成に注力するとともに、大胆かつコンセプチュアルな展覧会を通じて、アートの新たな可能性を探求している。取り扱うアーティストは既存の枠組みを超え、社会や時代との対話を通じて独自の表現を追求し、国内外のコレクターから注目を集めている。





















Backside works.「いでよ! 悪魔な召喚嬢」