漫画誌の「表紙」を描き直す──COIN PARKING DELIVERY個展「WAS IS WILL」、銀座 蔦屋書店で開催

2027年に創刊20周年を迎える月刊漫画誌『ジャンプSQ.』(集英社)。その記念ロゴを、覆面のアーティストCOIN PARKING DELIVERYが手がけた。自身のキャラクター「白井さん」を起用したロゴは、実際の誌面に掲載される。このコラボレーションから発展した個展「WAS IS WILL」が、11月7日から25日まで、銀座 蔦屋書店のアートスペースFOAM CONTEMPORARYで開かれる。軸に据えられたのは、雑誌の「表紙」というメディアだ。

スマートフォンから始まった覆面の作家

COIN PARKING DELIVERYの活動は2018年、電車での移動中にスマートフォンで指を使って絵を描いたことから始まった。素顔を明かさない覆面の作家として、ポップなキャラクターを通じて現代社会の矛盾やコミュニケーションのあり方を描いてきた。現代アートの枠にとどまらず、ファッションブランドや著名キャラクターとのコラボレーションも重ねている。近年は、デジタルの作品に加えて造形、空間、ドローイング、海外の公共空間の外壁へと表現の場を広げている。

作家はステートメントのなかで、現代社会に生きる人間の矛盾に関心があると記している。誰かとつながりたいという欲求と、自分だけのものにしたいという独占欲。当たり前とされる価値観に潜むそうしたズレを、親しみやすいキャラクターに託して表現する。覆面については、身を隠すためだけのものではないとする。個人としての存在を曖昧にして日常に溶け込み、人々の視線や振る舞いを俯瞰して観察するための手段でもあるという。そこから得た気づきを作品に変え、アートを特別な場所に閉じ込めず、日々の暮らしのなかに置くこと。それが活動の重要なテーマだと述べている。

20周年ロゴという入口

ラバーキーホルダー
JUMPSQ.20th Anniversary LOGO Ver. COIN PARKING DELIVERY
価格|3,850円(税込) 

『ジャンプSQ.』は2007年に創刊された。誌名には、漫画好きが集う広場としての「Square」と、最高品質を意味する「Supreme Quality」の二つの意味が込められている。

同誌編集長の服部雄二郎氏は、本展に寄せた文章で、COIN PARKING DELIVERYの作品に初めて触れたのはコロナ禍のさなかの2020年だったと振り返る。最初はキャッチーでポップな印象だったが、作品に込められた熱意やメッセージ性、遊び心にたちまち引き込まれたという。20周年記念ロゴの制作を依頼すると、作家からはロゴ以外にも数多くの提案が寄せられた。本展は、このロゴ制作のプロジェクトから発展した展覧会である。

過去と未来がぶつかる「今」

フーディー
“WAS IS WILL” JUMPSQ.20th Anniversary LOGO HOODIE
  
カラー|BLACK / VINTAGE BLACK
サイズ|サイズ1、サイズ2   
価格|44,000円(税込)
※BLACKは本展限定販売

雑誌の表紙は、ページを開く前の読者が最初に出会う場所であり、その号の物語や誌面の空気をひとつの画面に集約する役割を担う。本展は、その表紙を軸に、作家と雑誌のやりとりから生まれた新作で構成される。

たとえば、作家が過去に制作した作品を『ジャンプSQ.』の表紙として描き直した作品がある。実際の誌面の要素をサンプリングし、独自の手法で再構築した作品も並ぶ。タイトルの「WAS IS WILL」は、過去(WAS)と未来(WILL)の衝突から生まれる「今(IS)」を指す。移り変わり続ける時代を記録する試みとして、展覧会は組み立てられている。

素材になっているのは、作家自身の過去作と、雑誌がこれまでに積み重ねてきた誌面という二つの「これまで」だ。それらを組み替えて、まもなく20周年を迎える雑誌の「これから」の表紙に結びつける。この往復が企画の核にある。毎月書店に並ぶ漫画誌の表紙は、多くの人にとって見慣れた日常の風景でもある。アートを暮らしのなかに存在させたいという作家の関心にとって、表紙は自然な舞台といえるだろう。

スマートフォン一台から描き始めて8年の作家と、まもなく20年を数える雑誌。それぞれの時間が「表紙」を軸に交わり、展覧会のタイトルが示す「今」をかたちづくる。

開催概要

COIN PARKING DELIVERY「WAS IS WILL」
会期:2026年11月7日(土)〜11月25日(水)
時間:11:00〜19:00(最終日は18:00まで)
休廊:月曜日(11月23日〔月・祝〕も休廊)
会場:銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY(東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6階)
入場:無料
主催:銀座 蔦屋書店
協力:株式会社集英社、株式会社CPD
問い合わせ:info.ginza@ccc.co.jp
特集ページ:https://store.tsite.jp/ginza/event/art/57287-1515311008.html

Direction & Editing
Project Direction / Editor-in-Chief: Taro Okazaki

プロジェクト統括・編集長:岡崎 太朗

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【プロジェクト統括・編集長】岡崎 太朗(Taro Okazaki)