ちょっとシブいマニアックな静岡「伊豆の旅」仏像と温泉を楽しむ!

 そろそろ旅行が恋しくなってきませんか?今回は京都・奈良・鎌倉でも味わえないマニアックでシブい伊豆のおすすめ旅行をご紹介します。

 旅先では王道の旅行コースではなく、ちょっとマニアックな世界を垣間見たいという人も多いのではないでしょうか。

こんな人におすすめ
  • 仏像を求めて全国行脚というほどでもないけれど、雰囲気のある仏様を見てみたい。
  • 熊野古道まで行かなくても日本の原風景を感じるような自然を楽しんでみたい。
  • ついでに温泉も入れて、おししい海の幸もあれば言うことはない!

というような贅沢なリクエストを叶えることができるのが静岡県の伊豆です。

 多言語観光情報サイトGuiidoor関連の仕事で足繁く伊豆に通い、伊豆に詳しくなってしまった私から一泊二日伊豆旅行とおすすめ観光スポットのご提案です。

(この記事は更新し、2023年12月18日再公開しました。)

京都・奈良・鎌倉では味わえない ちょっとシブめの伊豆旅

秋の修禅寺

旅の足について スタートは三島駅でレンタカーがおすすめ

 一泊二日のシブめの伊豆旅、首都圏からなら鉄道とレンタカーがおすすめです。残念ながら伊豆の公共交通機関は、風情があるのですが利便性はそこまで良くありません。

なので、今回は新幹線の三島駅でレンタカーを借りるところからスタートします。

 ちなみに大手のレンタカーサービスは、同一県内の営業所の乗り捨ては追加費用がかかりませんので今回の旅では修善寺駅で返却する計画にしています。

三島スタートのシブ旅なら「楽寿園」と「三嶋大社」は見逃せない

まずは旅の雰囲気づくりに「楽寿園」散策

池ごしの楽寿園

 伊豆旅の初め、駅前でレンタカーを借りる前に少しだけ時間を作っておくのがおすすめです。歴史情緒を楽しむ旅を始めるにふさわしい、三島の隠れた名所「楽寿園」を訪れてみてください。

 楽寿園は、宮様のお屋敷だった高床式建物で、襖絵から天井画に至るまで著名な明治の日本画家の作品に溢れており、また障子の引き手の金物にまでこだわりがあり、建築に興味のある人は必見です。

 富士山の湧水を引き込んだ庭園も見事で写真映えも最高です。内部見学は有料ですが時間が合えばガイドのサービスもあります。

楽寿園

楽寿園 マップ 詳細情報

住所静岡県三島市一番町19-3
営業時間4月~10月:9:00~17:00
11月~3月:9:00~16:30
※入園は閉館時間の30分前まで
定休日月曜日(祝日の場合は翌日)、12月27日~1月2日
料金300円/人 (15歳以上)
電話番号055-975-2570

三嶋大社で縁起よく旅の始まり

三島大社

 三島大社は歩いても行くことができますが、そろそろ車で出発しましょう。三嶋大社には有料ですが駐車場もあります。

 三島といえば三島大社、源頼朝の源氏再興の大願成就を果たした神社であり、商売繁盛のご利益があると言われています。源氏ゆかりの場所が社内各所にあるのでそれを探してみるのも旅の楽しみです。

三島大社

三嶋大社名物 リーゼント風の草餅「福太郎」

 小腹が空いているなら境内にある「福太郎茶屋」で、こしあんに包まれたリーゼント風の草餅「福太郎」を買って車内で楽しむのもおすすめです。「福太郎」は三嶋大社の名物で「福の種をまく」という意味が込められています。

三島大社 マップ 詳細情報

住所静岡県三島市大宮町2-1-5
電話番号055-975-0172
駐車場大型車 1,000円/1時間ごと ※大型バス,マイクロバス,下記小型車を除く車輌
小型車 200円/1時間ごと  ※乗用車 全長5m 全幅2m未満の車輌境内
駐車場の閉鎖日正月期間(12/31~1/3)閉鎖
※正月期間(12/31~1/3)は市内臨時駐車場をご利用ください
例祭期間(8/15~8/17) 閉鎖

三島暦を知っていますか?

三島暦

 あまり三島で時間を取っては、目的地になかなか着かないですが、面白い美術館が三島大社から歩いてすぐのところにあります。

 「三島手の茶碗」というのを聞いたことがありますか?茶碗の模様のことを言うのですが、その模様が三島大社で江戸時代売られていた暦(カレンダー)に似ているといることからそのように言われています。その暦の美術館が大社の近くにある「三島暦師の館」です。伊豆のシブ旅にはふさわしい見どころです。

 今ではあまり見ない、占い的なことも書いてある昔のカレンダーを見ることができます。希望者には半紙に擦った版画の暦のプレゼントがあるのでぜひ旅の思い出にしてみてください。

三島暦師の館

三島暦師の館 マップ 詳細情報

住所静岡県三島市大宮町2-5-17
開館時間9:30~16:30
休館月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
電話番号055-976-3088
駐車場無し

絶対食べたい三島グルメ「鰻」

 三島のグルメといえば「鰻」は外せません!まだ伊豆の旅は始まったばかりですが三島には美味しい鰻屋さんがたくさんあります。

 きれいな水が湧いているので鰻をしばらく生簀に放すことができたため三島の鰻は有名になったと言われています。旅の最後を鰻で締めたいという方は、レンタカーの返却を三島駅にして鰻を食べてから新幹線で帰るのもおすすめです。

 有名なのは三島広小路駅近くの「桜屋」、三島大社の近くの「すみの坊」、なぜか開いている時にいけない「うなよし」、などがありますが、他にも多数のお店がありますので、自分好みの鰻店を食べ歩くのもおすすめです。

伊豆には運慶をはじめ貴重な慶派の仏像が数多く残っている

 今NHKの大河ドラマは鎌倉が舞台ですが、当時、政治の中心が京都・奈良から鎌倉幕府に移りました。パトロンがいてこそ仕事になる仏師、西国から鎌倉に来たものも多いようです。その一人が運慶です。

 北条氏ゆかりの願成就院(伊豆国市)にその作品が残されています。また、運慶の属する慶派と呼ばれる仏師が数多くの作品を伊豆に残しています。

かんなみ仏の里美術館

かんなみ仏の里美術館

 本日最初の仏像は、三島大社から車で15分くらいのところにある、「かんなみ仏の里美術館」で会うことができます。

 鎌倉時代から地元で大切に守られてきた、実に24躯もの慶派の仏像がここに安置されています。ちょっと離れたところに立地していることが幸いして、静かに仏像と対面するすることができる素晴らしい美術館です。

 できることなら有名になって欲しくないのですが、シブい伊豆旅の趣旨からここを外すことはできません。行けばじんわりと良さがしみる観光地です。

かんなみ仏の里美術館

かんなみ仏の里美術館 マップ 詳細情報

住所静岡県田方郡函南町桑原89-1
開館時間10:00~16:30
※ 館内及び周辺にレストラン等はございません。
休館日毎週火曜日、12月29日~1月3日
入場料大人 300円(65歳以上は200円)、子中学生 100円団体(10人以上)、65才以上は100円割引
電話番号055-948-9330
駐車場大型バス4台・乗用車10台 (館外桑原区駐車場もご利用できます)

仏像や神社だけじゃない!伊豆スイーツとグルメ「アイスクリーム」と「ハンバーグ」も楽しもう

 旅の楽しみは、観光や食事がメインですが、ちょっとお茶する楽しみもあります。次の目的地から離れてしますが、絞りたての牛乳とそれで作ったアイスクリームを「酪農王国オラッチエ」で楽しむことができます。

酪農王国オラッチ マップ 詳細情報

住所静岡県田方郡函南町丹那349-1
営業時間平日  10:00~16:00
土日祝 9:00~17:00
※レストランは土日祝のみ営業 11:00~15:00(L.O.14:30)
定休日水曜日
電話番号055-974-4192
駐車場あり (無料)

 さかな系が苦手な人は、静岡で大人気のげんこつハンバーグの炭焼きレストラン「さわやか」の函南店でハンバーガを食べる手もあります。どの店もかなり待ち時間が長いようなので行列に並ぶ覚悟でトライしてみるのも一興ですね。

願成就院で運慶の仏像に会う

 次の目的地は、国道136号線を南下して「願成就院」を目指します。「かんなみ仏の里美術館」から車で30分程度です。ここが仏像に合う伊豆のシブい旅のメインスポットです。

 願成就院には、運慶30歳代の作品と言われる、本尊阿彌陀如来坐像・不動明王立像・矜羯羅童子立像・制吒迦童子立像・毘沙門天立像の五体の仏像が安置されています。

関東でまとまってこれだけの運慶の作品を見ることができるところは多くはありませんので、おすすめです。

願成就院は鎌倉幕府を開いた源頼朝の奥州征伐の戦勝を祈願して、政子の父の北条時正が建立したものです。

 仏像は各地の展覧会に貸し出されていることも多いので、旅行の際は事前にHPなどで調べておくことをお勧めします。

願成就院

願成就院 マップ 詳細情報

住所静岡県伊豆の国市寺家83-1
拝観時間10:00~16:00 (最終受付15:30)
休館日毎週火曜日と水曜日 (但し、正月三箇日、火・水曜日が祝日の場合は開館)
節分の日、8月15日、7月30日~8月3日、12月24日~31日
拝観料大人 700円 (500円) 、中高生 400円 (300円)、小学生 200円 (100円)
※( )は25名以上の団体
電話番号055-949-7676
駐車場大型バス3台、または乗用車約20台 (無料)

絶品回転寿司で伊豆の海の幸を楽しみましょう 

 寄り道をしながらのドライブで少し遅いお昼の時間になっているかもしれません。

 伊豆半島内陸部のドライブ旅ですが、やはり海の幸を外すことはできません。

そこでもう少し136号線を南下して、地元でも大人気の「沼津魚がし鮨 流れ鮨 伊豆の国大仁店」で昼食を取りましょう。

昼時はかなりの混雑で、待っている人も多いのですが少し時間を外せばそれほど待たずに済むはずです。

伊豆の地魚寿司だけでなく天ぷらなどのオプションメニューも充実していて、何を食べようかかなり迷ってしまいます。

カウンターもありますが、席で注文するとベルトコンベアーのようなもので寿司が席に流れてきます。

夜は宿での食事も楽しめるよう、食べ過ぎに注意してください。

流れ鮨伊豆の国大仁店 マップ 詳細情報

住所静岡県伊豆の国市吉田380-1
住所静岡県伊豆の国市吉田380-1
営業時間11:00~15:00/
ラストオーダー 20:45
定休日無し
営業時間11:00~21:00(L.O.20:30)
お持ち帰り
受付時間 /10:00~19:00
お渡し時間/11:00~20:00
定休日なし
駐車場30台あり(無料)

修禅寺「独鈷の湯」そしてワサビアイス

 お腹がいっぱいになったことろで少し移動して、修善寺と温泉街を散策して腹ごなしをしましょう。

 修禅寺(駅名の修善寺と字が違う)の周辺は、川沿いの落ち着いた雰囲気が人気の伊豆を代表する温泉街です。

 まず目に入るのは川沿いの「独鈷の湯」。桂川で病父の体を洗う少年に心打たれた弘法大師が持っていた仏具 (独鈷)で川の岩を打ち、霊泉を湧き出させたという伝説の温泉です。

 残念ながら、現在独鈷の湯は見学のみで入浴は不可となっていますが、すぐ近くにある『足湯・河原湯』や、対岸の独鈷の湯公園の『リバーテラス・杉の湯』で足湯を利用することができます。

 近くに地元特産のわさびを添えたソフトクリームが売っていますので、足湯につかりながらワサビアイスを楽しむのも一興です。

独鈷の湯 マップ 詳細情報

住所静岡県伊豆市修善寺
電話番号0558-72-2501 (伊豆市観光協会修善寺支部)
駐車場最寄りの有料駐車場をご利用下さい。
修禅寺

 足湯を楽しんだ後は、温泉街の散策をしながら、まずは落ちついた雰囲気の修禅寺を訪れましょう。

修禅寺周辺では春には桜、新緑、秋には紅葉が楽しめます。さらに川沿いを少し上流に歩くときれいな竹林を散策できます。

修禅寺 マップ 詳細情報

住所静岡県伊豆市修善寺
電話番号0558-72-0053
駐車場最寄りの有料駐車場をご利用下さい。
竹林の径

 「竹林の径」は写真スポットとして多くの観光客に人気です。夜には竹林の小径を中心とした温泉街がライトアップされるので修善寺温泉に宿を取っているなら、夜の散歩もおすすめです。

竹林の径 マップ 詳細情報

住所静岡県伊豆市修善寺1031-1
電話番号0558-72-2501 (伊豆市観光協会修善寺支部)
駐車場最寄りの有料駐車場をご利用下さい。

伊豆旅行の宿泊先は選択肢が多い!ラグジュアリーな高級老舗旅館からペットと泊まれる旅館まで

 伊豆に泊まるならやはり温泉。できれば源泉掛け流しが良いのですが、それは予算と好みが分かれるところです。

 少し奮発して修善寺の老舗旅館やちょっと今風にアレンジした高級旅館も多くあるのでおすすめです。

 宿泊予算を少し抑えたいという方には、来た道を戻ることになりますが、伊豆長岡温泉周辺もリーズナブルに温泉気分を楽しめるような宿泊先が多くありますのでおすすめです。

 ペットと泊まれる旅館などもあるので、予算と好みにマッチする宿泊先選びを楽しみましょう。

伊豆旅二日目はワサビ田から。夏の時期の見学が特におすすめ

わさび大見屋のわさび田

 温泉旅館に泊まっていれば、比較的朝はゆっくり過ごすでしょうから、伊豆旅の二日目は遅いスタートかもしれません。

 伊豆の名物と言えばワサビです。伊豆には、東京の有名すし店にワサビを卸しているようなワサビ園が多くあります。

伊豆のお土産物店でワサビ(漬け)はよく目にしますが、実際にワサビ田を訪れたことのある人は少ないかもしれません。修禅寺から20-30分の山の中には多くのワサビ田が点在しています。

 中でも私のお勧めは「わさび大見屋」さんです。ワサビやワサビ漬けなどの販売はもちろん、隣接するワサビ田を見学することができます。

実際にワサビがどのように育てられているのか、ここで初めて見ることができました。特に夏には、一面のワサビ田を眺めながら、まさに天然のクーラーともいうべき川筋からの冷風を浴び、心が洗われるようなひと時を過ごすことができます。

ワサビの収穫作業


 近くには、あまり有名では無いようですが、筏場のわさび田と言われる観光地もあります。

わさびの大見屋 マップ 詳細情報

住所静岡県伊豆市地蔵堂1242
営業時間9:00~16:00
定休日毎週水曜日
電話番号0558-83-2900
駐車場あり

天城超えで有名な「浄蓮の滝」

浄蓮の滝

 ワサビ田から山の中を通り30分くらいで、名曲天城超えで有名な「浄蓮の滝」につきます。

 浄蓮の滝は高さ25m、滝つぼの深さは15mと伊豆半島最大級で、日本の滝100選にも選ばれています。滝をバックに写真や動画を撮る人も多い伊豆の名所です。

 滝好きの方には、浄蓮の滝からさらに南下すると河津七滝と言われる様々な滝があります。

詳細情報

住所静岡県伊豆市湯ヶ島892-14
電話番号0558-85-1125 (浄蓮の滝観光センター)
駐車場あり

昼食には孤独のグルメで有名になった「ワサビ丼」

 またさらに南に進むと、「旧天城トンネル」、さらに南下すれば孤独のグルメで有名になったワサビ丼の店「わさび園 かどや」もあります。

 ワサビ丼は、ご飯の上にすりたてのワサビと鰹節をかけて食べる伊豆の有名グルメの一品です。その他にもワサビを練り込んだざるそば「わさびそば」も私のおすすめです。

伊豆旅行帰りのお楽しみは、駅弁アジ寿司と踊り子号

 今回の伊豆の旅も終わりに近づいてきましたので、修善寺駅に向けて北上します。駅近くでレンタカーを返却して修善寺駅に向かいます。

帰りのおすすめの交通手段は特急「踊り子号」です。あまり本数は多くありませんが、新幹線とは違った列車の旅を楽しむことができます。

 座席が空いていれば席を回転させてボックスにして、缶ビールでも飲みながら、自然の多い田園風景から段々と都会の風景に変わっていく車窓からの景色をゆったりと楽しむことができます。

踊り子号の本数は比較的少なく、(この原稿を書いている2022/07/01では)東京行の夕方の列車は修善寺駅15:39発です。

 帰ってすぐ晩御飯の支度というのでは、せっかくの旅気分が台無しです。帰宅後は旅の余韻と共にゆっくり過ごしたいですよね。

そこで帰りに修善寺駅で駅弁を買ってみてはどうでしょうか。おすすめは修善寺駅ロータリーのお寿司屋さんが出している名物駅弁『武士のあじ寿司』です。

 人気で売り切れていることもあるのですが、駅向かいのおすし屋さんの弁当なので、頼むと作ってくれることもあります。

三島駅や大船駅でもアジ寿司の駅弁がありますが、『武士のあじ寿司』は無添加・手作りならではの味と、伊豆の素材が活かされているこだわりの駅弁です。

 伊豆松崎の桜葉、伊豆天城の山葵、すし飯には静岡産のこしひかりが使われています。生酢で軽くしめた伊豆のアジとすし飯の絶妙なバランスが秀逸な駅弁です。ぜひ試してみてください。

伊豆の旅を満喫しよう

 一泊二日の仏像と温泉を楽しむちょっと渋いマニアックな伊豆の旅いかがだったでしょうか?

多言語観光情報サイトGuidoorでも伊豆や静岡のおすすめ&人気観光スポットをご紹介しています。旅の準備やお供にもぜひご覧ください。

 次回は「熱海から先が楽しい 昭和の新婚旅行のような東伊豆の旅」を予定しています。

あなたの伊豆おすすめスポットや、旅の思い出がありましたらぜひコメントで教えてください。

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