福岡県は日本全国から多くの食通が集まるグルメのメッカとして知られる人気の観光都市です。
もつ鍋、ラーメン、明太子など、福岡発祥のご当地グルメは思い出すだけで口の中がヨダレで一杯になることでしょう。
福岡出身の夫を持つ筆者もこの土地の美食を存分堪能し、何度も訪れた中で「また行きたい!」というお気に入りのお店も増えてきました。
今回の記事では、そんな筆者の厳選した福岡発祥グルメを12品ご紹介します!在住者の方はもちろん、観光で訪れた方も必見です。
ぜひこのグルメ情報をチェックして、旅行計画の参考にしてください。
※過去の記事を更新して2023年10月4日に再公開しました。
Contents
「もつ鍋」 ぷりぷり食感がたまらない
写真提供:福岡県観光連盟
低カロリーで美容に良いコラーゲンもたっぷりなことから女性にも大人気の福岡発祥「もつ鍋」。
終戦間もない頃、炭鉱夫として日本にやって来た朝鮮半島の人々が過酷な労働の活力源としてホルモンとにらを一緒にアルミ鍋で炊いて醤油味で食べていたという鍋。
もつ鍋のルーツは諸説ありますが、この鍋こそがもつ鍋の起源だと言われています。
写真提供:福岡市
当初はもつ鍋ではなく「ホルモン鍋」と呼ばれていました。
ホルモンとは関西弁の「放るもん=捨てるもの」から派生した言葉で、今まで食べられないものとして破棄していた動物の内臓を食材として使う画期的なもつ鍋は貧しい庶民たちの間でも瞬く間に広がっていったのです。
その後高度経済成長に伴いもつ鍋は徐々に進化を遂げ、現在のキャベツやニラやニンニクが入り、ちゃんぽん麺で〆るスタイルが確立されました。
akebitenshokuさんによる写真ACからの写真
また老舗で有名なもつ鍋発祥のお店とも言われている「万十屋(まんじゅうや)」のもつ鍋にも、とても興味深いお話があるので、もつ鍋のもう一つのルーツとしてご紹介させてください。
元々和菓子屋だった万十屋は戦後砂糖が手に入りにくい状況だった為、佐賀県の唐津から売りに来ていたモツを使って鍋を出してみよう!と苦肉の策で考え、お客様に提供したそうです。
写真提供:福岡市
これが大好評でもつ鍋店として成功し、和菓子屋の屋号をそのまま引き継いだことから万十屋という名のもつ鍋店になったとのことです。
そんな万十屋のもつ鍋を一度は食べてみたいと思いませんか。
国内産の牛もつのみを使用し昭和18年から続く万十屋の伝統のすき焼き風もつ鍋は、他とは違うさっぱりとした味わいを楽しめ、一度食べたらクセになりますよ👍
万十屋
公式WEB:万十屋
住所 :福岡県福岡市早良区田村1-12-10
TEL :092-801-4399
営業時間:11:30~22:00
定休日 :毎週月曜日(但し祝日の場合は翌日)
駐車場 :大型駐車場有り、大型バス可
「明太子」 ピリ辛でご飯が進む
ガイムさんんによる写真ACからの写真
福岡のお土産として、ご飯の最高のお供として、万人に親しまれている「明太子」。
現在では福岡に100社以上明太子を販売しているお店がありますが、元祖といえば「ふくや」の明太子です。
ふくやの創業者川原俊夫氏は幼少期に韓国で食べた明太子の味が忘れられず、日本で試行錯誤しながら明太子づくりを成功させました。
six-cubeさんによる写真ACからの写真
最初は得体のしれないものとして受け入れられなかった明太子も、酒の肴として人々に愛されるようになり、いつしか福岡を代表するグルメの一つに君臨したのです。
そして川原氏の大らかな人柄と「美味しいものをもっともっと広めたい」「福岡の名産品として明太子を成長させていきたい」という想いから同業者にも明太子づくりを伝授し、今日ではそれぞれのお店でオリジナルの明太子が作られていくこととなったのです。
j************************oさんによる写真ACからの写真
元祖ふくやの明太子は素材にこだわり、あえてシンプルな味付けにしたことでいかに新鮮で臭みのない魚卵を使っているかを証明しています。
また調味液に浸けすぎず、唐辛子の風味を消さないため酒を一切使用しないという徹底ぶりで、口に入れた瞬間に一粒一粒の旨みを思う存分感じられます。
ふくや 中州本店
公式WEB:ふくや 中州本店
住所 :福岡県福岡市博多区中洲2-6-10
TEL :092-261-2981
営業時間:9:00~22:00
定休日 :なし
「博多水炊き」 実は創作料理だった?
写真提供:福岡市
鶏の旨みが凝縮された「博多水炊き」。
元々は西洋のコンソメと中国風鶏スープをアレンジして出来上がった創作料理だということをご存知でしたでしょうか。
写真提供:福岡市
その発祥は遡ること1897年(明治30年)。
長崎生まれの林田平三郎氏が若干15歳で香港に渡り、英国人の家庭に住み込み西洋と中華の二大食文化を学んだことに始まります。
林田氏はコンソメと中国風鶏スープを日本風にアレンジし、スープ料理を生み出せないものかと思案して試行錯誤の中完成したのが博多水炊きです。
写真提供:福岡県観光連盟
この博多水炊きは人々を感動させ、お店は大行列に…当時は「博多煮」という名で呼ばれていました。
そんな林田氏がオープンさせた元祖博多水炊きのお店が「水月」です。
鶏のぶつ切り(皮や骨付き肉)を水だけでコトコト煮立たせシンプルながらも鶏本来の美味しさを思う存分味わえる水炊きを、まずは元祖のお店で楽しんでみてはいかがでしょうか。
水月
公式WEB:水月
住所 :福岡県福岡市中央区平尾3丁目16-14
TEL :092-531-0031
営業時間:17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日 :平日の月曜日(原則)・年末・年始・お盆
駐車場 :あり(3台)
「とんこつラーメン」 身体に染みる味
写真提供:福岡市
福岡に行ったら何が何でも食べて帰りたいのがラーメン🍜という方も多いかもしれません。
筆者も飲んだ後のラーメン、屋台ではしごするラーメン、福岡のとんこつに慣れてからは他の味をあまり好まなくなったのも事実ですw
「博多ラーメン」や「長浜ラーメン」は耳にしたことがある方も多いと思うのですが、実は元祖九州のとんこつラーメンは「久留米ラーメン」なのです。
写真提供:福岡市
九州とんこつラーメンの生みの親で西鉄久留米駅前の明治通りに開業したラーメン屋台「南京千両」の創業者宮本時男氏は、以前はうどん屋を営んでいました。
しかし、昭和10年頃に横浜や東京で流行した鶏ガラや少量の豚骨を加えて作り出したスープの支那そばの情報を耳にすると、自ら修業を積みに行き、とんこつのみのスープで九州とんこつラーメンを編み出したのです。
写真提供:福岡市
長崎出身だった宮本氏はちゃんぽんの濃厚なスープから着想を得たのではないかと言われています。
九州とんこつラーメンの特徴と言えばこってりスープとストレートな細麺、紅ショウガや辛子高菜のトッピングが思い浮かびませんか。
胡麻油さんによる写真ACからの写真
大抵の場合お店ににんにくが置いてあることが多いので、にんにく増し増しにしながら食べるのを筆者はおススメします。
その際の匂いに関しては自己責任ということで…
せっかくならチェーン店も良いですが、屋台で雰囲気も一緒に味わうと格別ですよ。
「がめ煮」 素材の味を楽しめる一品
写真提供:福岡市
福岡の郷土料理「がめ煮」。
あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、がめ煮とは福岡県以外では筑前煮のことを指します。(福岡県北部が昔筑前の国だったことから)
がめ煮の起源は様々ですが下記の3つの説が有力です。
・博多弁の「がめり込む」=「寄せ集める」という意からとった説
・すっぽんを博多弁で「がめ」と言い、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に博多に立ち寄りすっぽんと野菜を煮たことからとった説
・筑前地方でとれていた泥亀と野菜を煮込んだ料理からとった説
IROIROさんによる写真ACからの写真
がめ煮と筑前煮はほぼ同じものとして全国的には捉えられていますが、昔ながらの作り方が厳密には微妙に違います。
がめ煮はそのまま具材を煮込み骨付きの鶏肉を使うことが多いのですが、筑前煮は骨なしの鶏肉を用い一度具材を油で炒めてから調理します。
まとめまめさんによる写真ACからの写真
現在では骨付き肉を使うことも少なくなったため、筑前煮と同じ作り方でがめ煮も料理されることが多くなりました。(今まで油で炒めていなかったのは鶏肉が骨や皮つきで十分に油分があったため。)
お正月やお祝い事の席には欠かせない福岡の郷土料理として代々受け継がれるがめ煮。
福岡で家庭料理を口にする機会があれば、ぜひ一度優しい煮物の味に触れてみてください。
「かしわ飯」 彩り良く、食欲をそそる
D:5さんによる写真ACからの写真
こちらもがめ煮と同じく福岡を代表する郷土料理「かしわ飯」。
かしわとは鶏肉の異名を指します。
甘く味付けた鶏と鶏のだし汁で炊きこんだごはん、手軽に駅弁でも食べられるかしわ飯弁当はたまごや海苔が一緒にトッピングされています。
写真提供:福岡県観光連盟
また家庭ではこのように炊き込みご飯風のかしわ飯もよく作られています。
筆者の夫はかしわ飯が大好物で、お正月に親戚回りをする際はかしわ飯が大量にふるまわれます。
各家庭で少しずつ味が違うのも面白いですし、いつ食べても優しくほっとする素朴な味わいは、老若男女問わず愛される定番の福岡の味です。
「焼きカレー」 アツアツトロトロの絶品
tomonさんによる写真ACからの写真
北九州の門司港発祥「焼きカレー」。
門司港は明治から昭和初期にかけて海外との貿易で栄えた日本を代表する港の一つです。
HiCさんによる写真ACからの写真
そんな門司港は土地柄もあり、いち早く洋食文化が発展した場所でもありました。
昭和30年頃にとあるお店が余ったカレーにチーズなどをトッピングしてグラタンのように焼いたところお客様に大好評になったのがこの焼きカレー。
写真提供:福岡市
今では門司港を代表する一大グルメになりました。
数あるお店の中でも、女優の上戸彩さんが人生最後に食べたいものとして挙げた大人気店『BEAR FRUITS』の焼きカレーはSNSでも話題を呼んでいます。
門司港観光と共に絶品焼きカレーをぜひお試しください。
BEAR FRUITS門司港 本店
公式WEB:BEAR FRUITS門司港 本店
住所 :福岡県北九州市門司区西海岸1-4-7 門司港センタービル1F
TEL :093-321-3729
営業時間:11:00~21:00(L.O.20:30)【日~木】11:00~22:00(L.O.21:30)【金・土・祝前日】
門司港についてさらに詳しく知りたい方はこちら。
「博多うどん」 柔らかい麺が特徴
写真提供:福岡市
ラーメンだけじゃないの?!と驚くことなかれ、福岡は「うどん」も実は有名なのです。
商人の街として栄えていた博多は、商いが忙しく時間のない中、手軽にササっと食べられるうどんが大変重宝したそうです。
そんな中で茹で置きした柔らかいうどん、また素早く食べても消化に良い柔らかいうどんが「博多うどん」として発展していきました。
写真提供:福岡県観光連盟
香川の讃岐うどんと比べても圧倒的にコシが弱く柔らかい麺が一番の特徴です。
またお出汁は透き通り、煮干しや削り節、昆布などで出汁を取り薄口しょうゆで仕上げられた優しい味わいです。
トッピングはごぼう天や味付けした肉、丸天(さつま揚げのような練り物)が多く見られます。
数あるうどん店の中でも筆者一押しなのが「元祖肉肉うどん」です。
北九州小倉発祥のチェーン店として人気を博しているこちらのうどんは、色の濃い出汁にごろごろお肉と生姜がふんだんに盛り込まれたコクのあるうどんです。(生姜トッピングの量は自分で決められます。)
ついつい福岡に行くと立ち寄りたくなるスタミナが付くうどんはぜひ皆さんにも食べていただきたい逸品です。
普段コシのあるうどんに慣れている方も、柔らかい博多うどんの魅力にきっとハマりますよ👍
肉肉うどん 空港店
公式WEB:肉肉うどん
住所 :福岡県福岡市博多区半道橋2-15-1
TEL :092-473-2080
営業時間:11:00~22:00
定休日 :第2・4水曜日
「うなぎ」 柳川特産の美味しさ
写真提供:福岡県観光連盟
福岡の南部に位置し、縦横に走る水路が街の景観をつかさどる柳川。
柳川の名物と言えばうなぎ料理です。
昔から有明海の海水と筑後川・矢部川の淡水が交じり合う河口付近で捕獲されている天然うなぎは「アオ」と呼ばれ、とても貴重なものとして扱われてきました。
写真提供:九州観光推進機構
そんな柳川のうなぎ料理の発祥は江戸時代中期、老舗うなぎ料理店「元祖 本吉屋」の初代本吉七郎兵衛氏が生み出したとされる「うなぎのせいろ蒸し」です。
タレを絡めたご飯の上に、焼いた後あえて蒸して、芳ばしく香るふっくらとしたうなぎを乗せるのが柳川流。
Guidoorスタッフ撮影
そして独特の甘みがあるタレにはなんと「飴」が使われています。
この飴が甘味だけでなく、美しいうなぎのタレの照りをつかさどる重要なポイントでもあるのです。
普段高級であまり口にできないうなぎですが、柳川観光の際にはぜひこの極上のうなぎ料理を堪能していただければ幸いです。
同じく柳川の伝統工芸について興味のある方はこちら。
「ごまさば」 さっぱりとした魚料理
写真提供:福岡市
ここからはお酒を飲む方には堪らない福岡名物を3品ご紹介していきます。
まずは新鮮なさばの身を醤油ベースのタレとすりごまであえた「ごまさば」。
博多料理のお店や福岡の居酒屋ではよく目にする酒の肴ですが、関東に住んでいるとなかなか馴染みはないかもしれません。
写真提供:福岡市
傷みやすい魚として知られるさばは生であまり食べられることが全国的になかったようですが、博多では新鮮なさばの水揚げが盛んだったため刺身として昔からよく食べられていたようです。
混同しがちなのがさばの品種の一種「ごまさば」ですが、この博多名物ごまさばで使用しているのは「真さば」なのでさばの種類とは一切関係がありません。
ごまさばを白米に乗せて、飲んだ後の〆にお茶漬けとして食べるのも非常におすすめです🍶
「酢もつ」 コリコリコリ食感がクセになる
胡麻油さんによる写真ACからの写真
続いてご紹介する福岡名物の酒の肴は「酢もつ」です。
夫が東京に出てきて間もないころ、一緒にコンビニに行った際に躍起になって探していたのがこの酢もつでした。
正直何のことだか全くわからなかった筆者ですが、東京ではあまり見られない酢もつも九州では当たり前のように酒の肴としてコンビニで販売しているようです。
みーぬさんによる写真ACからの写真
枝豆と同じくらい福岡ではポピュラーな酢もつは丁寧に湯通ししたホルモンをポン酢で食べるさっぱりシンプルな一品です。
柚子胡椒や唐辛子をピリッと効かせたものもあり、とにかくお酒が進みます🍺
もつ鍋のこってりとした感じが苦手な方もコリコリした食感の爽やかな酢もつは美味しく食べられるかと思うので、ぜひ福岡の居酒屋でチャレンジしてみてください。
「鉄なべ餃子」 インパクト大の一品
写真提供:福岡市
3品目の福岡名物酒の肴はビールによく合う「餃子」です。
博多では一口餃子という名前の通り、パクっと一口で楽しめる小ぶりな餃子が昔から愛されてきました。
写真提供:九州観光推進機構
中でも30年ほど前から博多の屋台で出回るようになり、今では博多の餃子の定番になった「鉄なべ餃子」は絶品です。
発祥は鉄の都として栄えていた北九州の八幡地区。
元祖鉄なべ餃子店「本店鉄なべ」創業者宇久温子氏が中華料理屋で出会った餃子を日本人の口に合うものにしたいと開発したのがこの鉄なべ餃子なのです。
写真提供:福岡県観光連盟
あっさりした具と薄皮でパリっとした食感が特徴。
東京で食べた鉄板の上のナポリタンからヒントを得て、アツアツのものを食べてもらいたいという想いの下、鉄なべで提供することを宇久氏は決めたそうです。
くどくないので際限なくおつまみとして食べられる鉄なべ餃子をぜひキンキンに冷えたビールと共に発祥の地でご賞味ください。
本店鉄なべ
公式WEB:水店鉄なべ
住所 :福岡県北九州市八幡西区黒崎1丁目9-13 宮本ビル1F
TEL :093-641-7288
営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30)
定休日 :木曜日(祝日の場合、変更あり)
アクセス:JR黒崎駅南口から徒歩3分
まとめ:福岡のグルメはどれも絶品!
今回の記事では、福岡県発祥のグルメについて厳選した12店舗をご紹介しました。
とんこつラーメンや明太子など、福岡県ならではのグルメを提供する有名店ばかりです。
この記事を参考に、次の福岡旅行の際はぜひご紹介したお店を訪れて福岡の美味しいグルメを存分に楽しんでください。
福岡のグルメはあなたを魅了し、きっとまた行きたくなることでしょう。
執筆:Honami
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