京王線の明大前駅で終電を逃して偶然出会ったふたりが意気投合して恋に落ち…
映画「花束みたいな恋をした」(通称「はな恋」)で描かれる5年に及ぶふたりの恋模様と何気ない日常を引き立てたのは、本作でメインのロケ地となった東京都調布市にある風景です。
人気俳優の菅田将暉、有村架純がダブル主演をつとめ、ドラマ「カルテット」、「最高の離婚」、「東京ラブストーリー」といった名作恋愛ドラマの脚本を多数手掛けた坂元裕二、監督は土井裕泰(映画「ハナミズキ」、「いま、会いにゆきます」)というタッグも話題の映画「はな恋」。
映画「はな恋」に限らず、実は、調布市をロケ地とした作品が多くあるということをみなさんはご存知でしたか?
今回は、映画「はな恋」をメインに調布市をロケ地とした作品をご紹介します。
調布市のこんなところが登場! 映画「はな恋」の注目スポット
京王線の調布駅を中心に、東西南北さまざまな場所が作中に登場します。ここではその中でもキーとなるスポットをピックアップしました。
多摩川サイクリングロード
映画のメインビジュアルにもなっているシーンは、多摩川を麦(菅田)と絹(有村)が仲睦まじく歩く姿が使われています。
同棲するふたりが仲良く乾杯するアパートの奥から見えるのも多摩川です。
甲州街道
麦と絹が運命的に出会った明大前駅。その線路沿いを歩くシーンは甲州街道で撮影されました。
御塔坂橋交差点横断道路
麦と絹のふたりにとって思い出の場所のひとつである御塔坂(おとざか)橋にあるに交差点。
このように随所に出てくる調布市のスポット。土井監督も本作のロケ地について以下のように語っています。
2015〜2020年を描いている作品なので、その間に実際起きた出来事や固有名詞をできるだけリアルに描きたいというのは最初から思っていたこと。だから脚本上ではたった1行のシーンでも、実際の場所に行って撮るというのはすごく大事なことだったんです。
-「調布ロケーションマップ」のスペシャルインタビューより
ふたりが過ごした5年間の空気を多くの人に感じてもらえるよう、調布市は、多数のロケが行われた映画「花束みたいな恋をした」の公開に合わせ、様々な取り組みを実施しています。
調布市内で撮影された作品を紹介する「ロケ地マップ」の作成や、調布市がロケ地となったシーン写真を活用した「ロケ地案内パネル」の配置ほか、調布市内のロケ地や観光地を紹介した映像「MISSION IN CHOFU」を公開しています。
土井監督は先のインタビューで調布市の魅力についても触れています。
この作品は東京の各所で撮られているのですが、特に京王電鉄さんと調布市はじめ、地域の方の協力なしでは実現しなかったですね。僕の中で今回ロケ地の一つになった調布市は多摩川のイメージがすごく大きい。東京を舞台にしたお話でも、ちょっと広い場所や抜けのいい景色が欲しくなって、空や水といった自然を感じたい時にまずイメージするのは多摩川なんです。これまでも、ここでは数え切れないほど撮影してきていますが、日活調布撮影所や角川大映スタジオなどもあるし、僕にとっては身近な場所。特にこの作品はほぼ京王線沿線で撮影をしていたので、自分の日常生活と麦と絹の日常が地続きにあるような不思議な感覚を味わいました。それも東京を舞台にすることの魅力かもしれませんね。
-「調布ロケーションマップ」のスペシャルインタビューより
人気俳優のふたりが共演した作品の舞台となった調布市。新たな恋愛映画の聖地としてこれからも目が離せません。
<ロケ地マップの配布場所>
・調布市役所3階(産業振興課)
・調布市観光案内所「ぬくもりステーション」
・各公共施設
<パネル設置場所>
・御塔坂児童遊園
・多摩川児童公園
・文化会館たづくり7階カウンター前(パーフェクトワールド)
・深大寺山門付近(ゲゲゲの女房)
・調布PARCO5階パルコブックセンター
*2022年1月29日~2月14日は1階正面入り口付近に設置予定
「花束みたいな恋をした」作品情報
出演/菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、オダギリジョー、戸田恵子、岩松了、小林薫 ほか
監督/土井裕泰
脚本/坂元裕二
https://hana-koi.jp/
映画「花束みたいな恋をした」予告
調布市がロケ地になった作品はまだまだ沢山!
「映画のまち 調布」として認知され、映画やドラマなどのロケ地誘致に数年前から本格的に積極的に取り組んだ結果、映画「はな恋」の誘致に成功した調布市。
映画「はな恋」以外にも、さまざまな話題作のロケ地として作品を盛り上げています。
ここでは調布市のロケ地の一部を編集部イチオシの作品とともにご紹介します。
多摩川サイクリングロード
映画「はな恋」でも使われた多摩川サイクリングロードは、土井監督のインタビューにもあるように自然を感じられる多摩川の景色がおさめられます。
ドラマ「集団左遷!!」では、主人公を演じる福山雅治らが疾走する場面に登場しています。他にも「義母と娘のブルース」や映画「億男」では河原でのシーンに使われています。
集団左遷!!(ドラマ:2019年)
福山雅治が銀行員を演じた「平成最後の日曜劇場」であるとともに「令和最初の日曜劇場」となる作品。原作は江波戸哲夫が著した経済小説です。
銀行で働くサラリーマン片岡洋(福山雅治)が支店長に昇任するも、徹底した合理化を目指し廃店による大規模リストラを断行したい常務取締役の横山輝生(三上博史)からの様々な圧力に負けじと奮闘するドラマです。
出演/福山雅治、香川照之、神木隆之介、中村アン、井之脇海、市村正親、小手伸也、別所哲也、八木亜希子、西田尚美、尾美としのり、三上博史 ほか
日曜劇場「集団左遷!!」
義母と娘のブルース(ドラマ:2018年)
通称「ぎぼむす」。血の繋がらない母娘を辿る軌跡を描いた作品。母・亜希子(綾瀬はるか)と娘・みゆき(上白石萌歌)が出会ってから、それぞれ成長し自立するまでの10年間をコミカルに描いています。
主題歌は2020年の紅白歌合戦で大トリを務めたMISIAが歌唱したことでも話題になりました。
出演/綾瀬はるか、竹野内豊、佐藤健、上白石萌歌、井之脇海、奥山佳恵、宇梶剛士、奥貫薫、浅利陽介、浅野和之、麻生祐未 ほか
MISIA「アイノカタチ feat. HIDE(GReeeeN)」
億男(映画:2018年)
映画プロデューサーで小説家でもある川村元気による長編小説を映像化。大友啓史監督、佐藤健主演という「るろうに剣心」シリーズと同じ座組も注目です。大金をめぐり家族や友情のあり方を探していく物語。
主題歌となったBUMP OF CHICKENの「話がしたいよ」とのコラボミュージックビデオでも登場するモロッコのシーンが見ものです。
出演/佐藤健、高橋一生、黒木華、池田エライザ、沢尻エリカ、北村一輝、藤原竜也 ほか
監督/大友啓史
映画「億男」コラボミュージックビデオ
調布駅周辺
京王線の調布駅周辺は、調布市のロケ地のメッカと言っても過言ではありません。調布市役所や調布市文化会館たづくりは、多くの作品で使われています。
映画「はな恋」の主演である菅田将暉が主題歌を担当したことで話題になった、ドラマ「パーフェクトワールド」では、松坂桃李、山本美月演じるふたりが役所に婚姻届けを提出するシーンで文化会館が使用されています。
また、調布市役所は月9ドラマ「SUITS/スーツ」の記者会見や打合せの場面に、「健康で文化的な最低限度の生活」ではハローワークに見立て、ケースワーカーと生活保護受給者が相談に訪れます。
山田孝之、菅田将暉が出演し話題となった「dele」でも、主人公ふたりが逃走する緊迫したシーンに演出に一役買っています。
パーフェクトワールド(ドラマ:2019年)
主人公の女性(山本美月)と、事故により身体障害者となった男性(松坂桃李)との関係を描く恋愛ドラマ。
菅田将暉の主題歌は米津玄師の作詞、作曲、プロデュースによるもの。菅田はドラマの最終回に市役所の職員役でサプライズで登場します。
出演/松坂桃李、山本美月、瀬戸康史、中村ゆり、松村北斗、岡崎紗絵、麻生祐未、松重豊 ほか
菅田将暉「まちがいさがし」
SUITS/スーツ(ドラマ:2018年)
アメリカで人気を博したドラマシリーズをリメイクした本作。織田裕二と鈴木保奈美が「東京ラブストーリー」以来の共演ということでも話題になりました。
都内の大手弁護士事務所を舞台に、毎回様々な大物ゲストが出演し「月9」枠にふさわしいスタイリッシュな作品。
シーズン2まで放送され、そのどちらも主題歌はB’zが担当しています。
出演/織田裕二、中島裕翔、新木優子、中村アン、磯村勇斗、今田美桜、田島令子、小手伸也、鈴木保奈美 ほか
B’z「WOLF」
健康で文化的な最低限度の生活(ドラマ:2018年)
新人ケースワーカーの目を通し、生活保護の現実に迫る群像劇。
題名は日本国憲法第25条第1項の条文「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」が由来となっており、作品が自治体の研修に使われるなどされています。
出演/吉岡里帆、井浦新、川栄李奈、山田裕貴、田中圭、阿部純子、徳永えり、遠藤憲一 ほか
AAA「Tomorrow」
dele(ドラマ:2018年)
「dele」(ディーリー)の意味は校正用語で「削除」のこと。パソコンやスマホに残された不都合なデジタル記録を依頼により抹消する仕事屋・坂上圭司(山田孝之)と真柴祐太郎(菅田将暉)を通し「デジタル遺品」に光を当てた意欲作。
ゲスト出演者は、ミュージシャン、作家、映画監督など多岐にわたる分野から起用されています。
出演/山田孝之、菅田将暉、麻生久美子 ほか
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調布のロケ地を巡ろう!
こうして作品を並べてみると、話題のドラマや映画のロケ地として調布市の多くのスポットが重要な役割を担っていることがわかると思います。
映画「はな恋」のように、調布市がメインのロケ地として使われる作品もあれば、「あっ、ここどこかで見たことある!」、「他のドラマでも同じようなシーンあったぞ」という発見をするのも作品の楽しみ方のひとつです。
今後も、さまざまな作品のロケ地となるであろう調布市。
この機会に調布市のロケ地巡りをしてみてはいかがでしょうか。
●調布市の魅力的なスポットはこちらでも紹介しています。
●調布市のロケ地散策でお腹が空いたらこちら。
●「はな恋」のロケ地を中心に調布を散策!
執筆:Sakai
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