京都・京田辺市の酬恩庵一休寺にて、2025年5月6日(火)、ライトアップイベント『陰翳と瞑想の世界 翠のライトアップ』が開催される。
静寂に包まれた禅寺の夜、光と陰が織りなす幽玄のひとときが訪れる。
Contents
1分でわかる『陰翳と瞑想の世界 翠のライトアップ』
- 2025年5月6日(火)限定で開催される、一休寺の夜間ライトアップイベントです。
- 谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃』にインスパイアされた、光と陰を活かした幽玄な演出が魅力。
- 会場は、禅僧・一休宗純が晩年を過ごした、京都・京田辺市の酬恩庵一休寺。
- 地元のアート団体「フィールアンビエント」とのコラボで、この日だけの特別な体験が楽しめます。
- チケットはPeatixでの前売り制のみ、当日販売はありませんのでご注意を。
酬恩庵一休寺とは ― 禅僧・一休宗純が晩年を過ごした地
酬恩庵 一休寺は、室町時代の禅僧・一休宗純(1394–1481)が晩年を過ごし、入寂した地として知られています。堅苦しい形式にとらわれず、風刺と諧謔を用いながら禅の本質に向き合った人物です。その自由奔放な生き方でも知られ、今も多くの人に広く親しまれています。
その自由な精神は、今日の一休寺の佇まいにも反映されています。寺内には一休の墓所や木像が安置され、また、名勝に指定されている枯山水の方丈庭園や苔むす参道など、時代を超えて禅の美意識を伝える空間が広がっています。
『陰翳礼讃』に着想を得た幻想の一夜

この『翠のライトアップ』は、作家・谷崎潤一郎による随筆『陰翳礼讃』(1933)にインスパイアされています。
この随筆では、光と影の繊細な対比、そして西洋的な明快さとは異なる、闇に溶けるような静けさの美、さらには「余白」や「見えないもの」の価値が語られています。
この思想を踏まえたライトアップでは、「光の存在感」だけでなく「影の存在感」にも意識が向けられています。
照明デザイナー・原田武敏氏(焔光景デザイン)との協働により、『陰翳礼讃』の世界観が境内に表現されています。過度な演出を排し、一休寺の空間全体が、光と陰の静かな調和によって構成されます。
境内は、自然光とも人工照明とも異なる陰翳の中に浮かび上がり、まるで寺そのものと静かに対話するような空間が広がります。
まちと人が響き合う、一日限りのアート体験
今回のライトアップは、クラウドファンディングサイト「READYFOR」で多くの支援を受けて開催が決定されました。5月2日〜5日は支援者限定の公開日となり、5月6日(火)は一般参加可能な特別公開日です。
当日は、地元・京田辺市で活動するアート共同体「フィールアンビエント-KYOTANABE-」とのコラボレーションも実施される予定です。音と空間を媒介とした芸術活動を行ってきたこの団体によるインスタレーションも加わり、「まちと人との共鳴」をテーマにした、この日限りの、一期一会の体験が提供されます。
フィールアンビエント-KYOTANABE- は「五感で感じること」を通して、都市と人との新しい関係を探るアート活動体です。これまでにワークショップや展覧会を開催し、地域文化と結びついた体験型アートを展開してきた。
フィールアンビエント-KYOTANABE- Instagramはこちら
開催概要・アクセス情報
イベント概要
- 名称:陰翳と瞑想の世界 翠のライトアップ
- 開催日:2025年5月6日(火)
- 時間:開門 17:30 / 閉門 20:30(通常拝観は17:00で終了。一度退出後に再入場)
- 料金:大人:1,500円/中高生:800円/小学生:500円/駐車場:500円(要予約)
- チケット購入:Peatix(前売り制)のみ
※当日のチケット販売はありません。Peatixでの前売り購入のみとなります。
※駐車場の台数に限りがあるため、徒歩または公共交通機関の利用が推奨されています。
アクセス
- 近鉄「新田辺駅」よりピストンバス運行予定(詳細は公式サイトにて)
- 京阪バス「一休寺道」下車、徒歩約5分
酬恩庵 一休寺で心を澄ませる夜を
煌びやかな光ではなく、影の奥にある静けさを味わう。
『翠のライトアップ』は、そんな「余白」に気づく体験。
一休寺の境内に足を踏み入れ、光の奥にある静寂に耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。
そのひとときは、きっとあなたの内側にも灯をともすはずです。
酬恩庵 一休寺の基本情報
宗派 | 臨済宗大徳寺派 |
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開創 | 1473年(応仁の乱直後) |
通称 | 一休寺(正式名:酬恩庵) |
文化財 | 方丈庭園(名勝)、一休禅師木像(重要文化財)など |