道路の右端に広がる青く塗られたレーン、それは自転車専用レーンの姿です。日本においても、自転車の利用が増える中、専用レーンの整備が進んでいます。
しかし、その実現度はまだ十分とは言えません。一方、オランダは自転車文化の先進国として知られ、そこでは自転車専用レーンが完璧に整備されています。
この記事では、日本の課題とオランダの成功事例を通じて、自転車専用レーンの重要性と可能性について考えてみましょう。
もはや日本の自転車専用レーンは路上駐車専用レーンにすぎない?!自転車王国オランダの施策に見習え!
日本の自転車専用レーン(通行帯)の現状と課題
ここは東京都内某所にある一般的な日本の自転車専用レーンです。
このようにしっかり青く塗られていれば、車もここを避けて通り、自転車も安心して走る事ができます。
が!!!
よく、路上駐車している自動車が自転車の行く手を阻んでいます。
路上駐車の車を避けるべく、自転車は車道か歩道かに迂回しなければなりません。
これでは、せっかくの自転車専用レーンがしっかり機能しているとは言えません。
かと言って、完全に路上駐車を排除しようとすると、一般車はともかく、物流を担う配送車などに多大な支障をきたすことになってしまいます。
では、このあたりの問題をオランダはどう避けているのでしょうか?
オランダの自転車専用レーン(通行帯)の成功事例
見てください、この隙のないインフラを!
自転車専用レーンを作るというのはこういうことですよ!
歩道・自転車道・車道のそれぞれが完全に独立しています。
さらにポイントは、自転車レーンと車道との間にある車1台分の幅のスペースです。
ここを駐車スペースや駐輪スペースにする他、バス停を設置することもできます。
すると、自転車は車の交通事情に関係なく、専用レーンをノンストレスで走ることができるのです。
一方、自転車専用レーンが車道すぐ横に敷設される例もあります。
すると、日本のように、路上駐車の車が自転車専用レーンを塞いでしまう心配もしたくなりますが・・・
見てください!
荷物を搬出入する際のトラックが、自転車専用レーンを塞がず車道に停車しています!
これ、日本ではありえないと思いませんか?!
まさに、ルールが徹底されているからこそインフラが活きる!見本ではないでしょうか。
どちらにしろ、この「あらかじめ駐車帯のスペースを設けて、交通の邪魔になる路上駐車を避ける」手法は、まさに「あらかじめソフトドラッグを合法化して、ハードドラッグや闇市場を抑制する」オランダらしい考え方とも言えますね!
ストレスフリーな交差点設計:オランダの工夫と効果
自転車専用の信号機や一旦停止スペースの確保など、まるで車道かそれ以上に交差点の設計も非常に良く考えられており、実際に自転車で走行するとその使い勝手の良さに感動します。
これだけでも歩行者でもない車でもない自転車がしっかり市民権を得て確立されていることがよく分かります。
しかし、これは何も自転車ユーザーだけのための特別処置ではありません!
ドライバーや歩行者にとっても安全通行できるための最低限のインフラにすぎないのです!!
歩行者との共存:オランダの自転車専用レーンのバランス感覚
完全分離されている自転車専用レーンも、初めてオランダを訪れた観光客などルールを知らない人にとっては、色の付いた歩道に見えてもおかしくありません。
とはいえ、誤って自転車専用レーンに入ろうもんなら、迫りくる自転車はベルを鳴らしたり文句を言ったりしてくるなど、ルールを知らない観光客に対しても全く容赦ありません!
ですが、これぞ自転車先進国としてのルールがしっかり確立されている証拠ではないでしょうか。
高いサドルの謎:オランダ人の自転車文化に迫る
世界一平均身長が高いというオランダ人は、自転車のサドルもかなり高く設定しています。
しかし、これは彼らの背が高いからというわけでなく、その身長にしても高すぎやしないか?というくらいのレベルなのです。
もちろん、無理に高くしているわけではありません。
理由は単純明快で、より効率的に少ない労力で速く遠くまで移動できるから!
あまりにも高い位置にサドルを設定するため、交差点などで停止するときは、大体サドルから前に降りるのがダッチスタイルになっています。
【日本での自転車利用】:快適な移動を求求めて
歩行者や車との接触を避けるため、特にママチャリなどは足がすぐ地面に着く高さで乗っている人が大半です。
これでは、せっかくの自転車の特性が活かしきれません。
【オランダでの自転車利用】:ライフスタイルの一部として
自転車専用レーンのお陰で、日本のように咄嗟に止まらなければならない場面が比較的少ないため、スポーツバイクに限らず一般的な街乗り自転車(ダッチバイク)でもビュンビュン飛ばしていきます。
これこそ、充実したインフラの賜物ではないでしょうか?!
日本でもオランダでも、自転車専用レーンは決して自転車だけのためではない!
ここまでの議論を通じて、オランダの自転車文化とその専用レーンの整備には、単なる自転車優遇の枠を超えた深い意味が込められていることがわかります。
確かに、オランダは自転車に対して特別な配慮をしていますが、それは歩行者や車の利用者の安全と調和を保つための大局的な視点に基づくものです。オランダが長い年月をかけて築いてきた自転車インフラは、その国の交通安全政策の一環として成り立っているのです。
日本も単なる罰則だけでなく、オランダのような綿密なインフラ整備を模範とすることで、安全で効率的な交通環境を築くことができるでしょう。
自転車専用レーンの実現は、道路設計の工夫、信号機や一旦停止スペースの適切な配置など、多角的なアプローチを必要とします。現代の交通課題に直面する日本においては、自転車、歩行者、車の全てが安全かつ快適に移動できるインフラ整備の再考が求められています。
確かにスッキリしていますが片側1車線で20mの道幅が必要でしょう。日本なら20mの道幅が有れば片側2車線道路を作るでしょう。どちらが機能的かはその国の交通事情によると思います。
良かったです。